たぱぞうの米国株投資

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株式が急落したら買いか、売りか。急落相場の考え方

急落相場は買いのチャンスになるのか

 少し前にジョンソンエンドジョンソン【JNJ】が大きく下げました。きっかけはロイターによる報道でした。その報道が正しいか正しくないかは別にして、株価が大きく下げたということは拭い去れない事実です。

 

 以前の株価を知っている人は、一日で10%も下げるというのは大変魅力に映ります。しかし、それは「ずっと持っていれば、株価が回復してくるのではないか」という希望的な観測に基づくものです。

 

 逆張りというやり方もありますが、個別の企業の逆張りは読めないことが多く難しいです。もしニュースがフェイクであれば株価は戻ります。逆に、真実であったり正しい予測に基づくものだとじりじりと下がり続けます。

 

 さて、今回はこのジョンソンエンドジョンソンに関してご質問をいただいていますのでご紹介します。 

 不祥事における急落相場は買い場なのか

 派遣社員をしております。29歳男性です。ジョンソンエンドジョンソンの記事を読ませていただいたのですが、不祥事による暴落時は買い場だと思いますか。


 例えば東京電力は長らく塩漬け状態が続いておりますが、神戸製鋼などはもう割と回復している印象があります。


 JNJもおそらく倒産はしないでしょうが医薬品などは信頼が命ですから、しばらく塩漬け状態が続く可能性が高いでしょうか。


 敗者のゲームなどを読んでいるとやはり手を出さない方が賢明ですかね。自分が考えることはみんな考えるといいますし。まあ、もう少し様子を見ようとは思いますが。
ちなみにもし投資するとしたら100万円程度です。

急落に参入するのはある意味では、ばくちです

 まず、結論から申し上げると、不祥事における暴落に突っ込むのはばくちです。「半か丁か」の世界です。明らかにフェイクという情報を掴んでいるならば、割安と判断できます。しかし、フェイクでない場合は暴落してから付いた値段が正しいということになります。

 

 特にジョンソンエンドジョンソンのような大型株は、大きく外れて不適正な株価が付くことはまれですね。とはいえ、東京電力、古くは三菱自動車のような株は暴落しても徐々に復活をしてきました。いくつか例を挙げてみてみましょう。

東芝の株価

東芝の株価

 例えば東芝があります。東芝は原子力に大きく投資しました。しかし、そのストーリーは外れてしまい、経営危機を迎えました。その後ニュースが出るたびに乱高下しています。とはいえ、もし底値で買うことができれば、たった1年で倍近く取ることもできたということですね。

JNJの株価

JNJの株価

 こちらはジョンソンエンドジョンソンの株価です。アスベスト報道があってから、さらに地合いも悪く、120ドル近くまで落ちました。直近ではやや反発傾向にありますね。それでも、底値からだったらある程度は取れています。今後の訴訟次第で上にも下にも行くのでしょう。

 

 人はどうしても底値からの反発に目を向けがちですが、高値からの半値というのも一方であるわけです。

いくら急落していても読めないものには賭けない

 私も若いころにはこういう乱高下にお付き合いしていましたが、今から考えると危なかったと思います。なぜかというと、自分が読めないものに賭けるというのは逆に負けるという可能性も同じぐらいあるからです。当然ですね。不確かな要素が多すぎます。

 

 「過去にこれぐらいの株価だったから、ここまで反発する」とかそういう割安感は不確かなのです。常に情報が入れ替わるので、今ある株価がある意味では適正です。

 

 株価の動きとは別に、なにか確信的なエビデンスがあれば別ですが、多くの場合そのようなエビデンスはありません。だからプロ筋も含めた乱高下になるのですね。ここでの利益が上がるという確実さは、手数料というテラ銭が取れる証券会社ぐらいでしょうか。

 

 ただ、相場は往々にして行き過ぎるときがあるので、事前にこのぐらいならば買おうと決めておいてそれに刺さるというのはうまくいく時がありますね。もう売ってしまいましたが、先日の暴落時にはトルコETFやVTIなどは私も少し買っていました。

 

 前に書いた通りVTIは125ドルから120ドルに短期的な底があると思いましたが、119ドルまで下げましたね。すぐに反発があったので、120ドルで指していた人は、読み通りだったでしょう。

 

 また、急落というほどではないですが、逆張りという意味ではバークシャー【BRK】が金融株を買い始めているのは面白いと思います。

米国銀行株のフォワードPEレシオ

米国銀行株のフォワードPEレシオ

 米国銀行株は、短期債と長期債の利回り差がなくなってきているので、軒並み収益力が不安視されて売られています。利上げは一般的には銀行収益を上げます。そのため、イールドスプレッドがしっかりとれている時は高値を付けていましたね。

 

 いまはイールドスプレッドが取りにくい環境と考えられています。そのため、リーマンショック以後としては久しぶりに低PERになっています。フォワードのPEレシオでは10倍を切るところがほとんどです。

 

 銀行業自体は業務に特殊性が無いため、常に競争にさらされている業界です。バークシャーがこのごろ銀行を良く買っているのはどういう意味があるのか。今の銀行株投資は逆張り投資の性格を帯びていますが、どういう考えに基づくのか。注目したいところですね。

 

 徒然と書きましたが、何かご参考になれば幸いです。

 

関連記事です。

  今のたばこ株投資も逆張りですね。特にBTIは売り込まれていて面白味ありますね。

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  ある意味では利上げが続く限り下がるとされる債券ETFも逆張りと言えそうです。ただ、底は株よりも分かりやすいですね。

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  つみたてNISAの年間評価です。ドルコスト平均法ならば、淡々と続けていけばよいですね。

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