たぱぞうの米国株投資

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急な退職の時、退職後の資産運用をどのように考えていくか

困難な時代の中、急な退職を迫られることは誰もがありうる

 基本的に今の景気は良くは無いですね。特に飲食系やレジャー系など、対面が基本となる産業はそうです。コロナですね。

 

 そうした中、急な退職を迫られるケースもあります。そうなると、今まで積み上げてきた資産やご家族との関係性が問われることになりますね。精神的にも急な出来事でプレッシャーがかかります。

 

 こうしたときに、今急な方針の転換をすることは危険ですね。冷静な判断を欠いていることが多いからです。

 

 さて、今日は急な退職に追い込まれ、今後の資産運用をどうしたらよいのか、ということでご相談を頂いています。

急な退職で資産運用計画の見直しを迫られています

たぱぞう様

 

 いつも有益な情報を発信いただき、ありがとうございます。

 

 ブログ、書籍でたぱぞう様の資産運用の考え方について、大いに参考にさせていただいており、大変感謝しております。この度大きな人生の転機を迎える事となりご相談させていただきます。

 

 20年超務めた会社の業績不振により、1~2か月の間に退職することとなりました。
転職活動はしておりますが、メンタルの不調もあり今までのような働き方が難しく、アルバイト等でしのぐことも考えておりますが、収入については大幅にダウンする見込みです。

 

 退職金は現在企業型401Kで運用しており、幸いにして拠出額の倍近く、評価額で900万円超ありますが、退職に伴い資産をいったん全て売却する必要があり、今後の運用について迷っております。

 

 401KはIDECOに移管し、S&P500 or 全世界株式のインデックスファンドを移管金から毎月30万、手持ち資金から毎月3万円の積み立てを考えていますが、株高の現状で今から1から運用をやり直す事に不安があります。

 

 またつみたてNISAは現在夫婦それぞれ33333円/月を楽天VTI/eMaxis Slim S&P500へ、プラス特定口座で夫:5万/月、妻:15万/月を楽天VTIとeMaxis Slim S&P500で積み立てていますが、夫分の積み立ては今後中止する予定です。

 

 60歳までの残り15年間と運用期間が限られ、また今後の収入が不安定、教育費を含めた支出の増大に不安がある中で、このままIDECO再スタートで株式インデックス中心の積み立てを継続していく方針でよいのか、差し支えなければ、今後の運用方針についてのアドバイス、ご意見を頂戴できれば幸いです。

 

<家族構成>

  • 相談者=夫:45歳(正社員、退職予定) 妻:40歳(正社員) 子:1人、中学生

<年収>税引き前

  • 夫:今後の年収100~200万になる見込み、妻:800万円

※妻も激務のためいつまで今の環境で働けるか不確定ではあります。

<資産状況>4900万

(内訳)

  • 現金(夫):500万
  • 401K(夫):900万※海外株式、海外債券、8資産、売却しIDECO移管要
  • 日本株式(夫):200万 ※高配当銘柄を中心に10銘柄
  • 投資信託(夫):350万 ※楽天VTI
  • 終身保険(夫):150万   ※払込済み額
  • 現金(妻):1750万
  • 401K(妻):600万 ※海外株式、海外債券、8資産
  • 投資信託(妻):350万 ※eMaxis Slim S&P500=170万、楽天VT:180万
  • 終身保険(妻):100万 ※払込済み額

(その他)

 自宅は夫名義の自己所有マンションで住宅ローン完済済み(評価額3000万円程)

 支出は平均で約50万/月。ストレスが多くレジャー、外食支出が膨らんでいるため今後は支出削減にも取り組みます。

急な退職など、環境変化の時には変わったことを極力しない

 質問者さんは就職氷河期世代ですね。困難な時代を共に生き抜いてきましたね。受験、就職、就職後、どの時代を切り取っても厳しかった世代です。ここまでの20年間、お疲れさまでした。


 さて、退職をされるということで、環境の変化に驚かれていると思います。しかし、強みが3つありますから、焦らないことです。

  1. 奥様のお勤め先がしっかりしている
  2. 住宅ローンを完済している
  3. 資産が4500万円と大きい

 この3点は非常に強いですね。あとはお子さんがこれからお金のかかる時期ですから、どのように乗り越えていくかということです。しかし、お子さんはお一人ですから、今までの資産で十分乗り切れます。

動かざること山のごとし、明日には明日の風が吹く。

動かざること山のごとし、明日には明日の風が吹く。

 ひとまず、生活の無理のない範囲で今までの積み立てというのがベストですね。もちろん、生活費次第で積み立て休止や減額もよいでしょう。

 

 焦って変わったことをしないことです。退職を控え、与信を使ってハードアセットへの投資というのも王道ではあります。実際私はそのようにしましたし、不動産投資家の友人も計画的に積み上げ、セミリタイアをしました。


 しかし、自ら計画的に退職をするわけではないので、単純にお勧めはしにくいところです。冒頭申し上げたように新しいことに挑戦するのは慎重にしたいところです。予期せぬ事象があると、自分では冷静なつもりでも、意外に判断が冷静ではない場合があるのですね。


 自宅があると、収入が減っても意外と生活自体は落ち着いて送れるものです。世間でも多くの人が1馬力で専業主婦、あるいは主夫として家庭を支えています。その状態になったにすぎないのですね。


 ひとまずゆっくり休んで、求職か、休職か、じっくり結論を出されたら良いですね。今までの貯蓄と返済がここにきて大きな支えになっているのは間違いありません。

 

 ここまで積み上げた資産とご家族の関係を信じて、ゆっくり考えていったらよいのですね。家事など今できることを無理せず淡々とです。今を凌げば、また新しい景色が見えることは間違いありません。

 

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