年間80万の配当金を手に入れるには
株式による配当金生活を実現している人はどのような人が多いのでしょうか。多くの方がいられますが、見ていると下記のような方が多いです。
- リーマン、コロナショックなどのリセッションを生かした
- 個別銘柄の売買に長けている
- 数十年に及ぶ長期投資
- 50歳過ぎまで働いてからのアーリーリタイア
- 起業、売却からの配当生活
こういう方たちです。かつては雑誌などでその存在を知るぐらいでしたが、今ではブログやTwitterでその人たちの考え方や方針に触れることができます。最後の50歳過ぎまで働いてからのアーリーリタイア、というのが最も再現性が高く、比較的目指しやすいところではないでしょうか。
個別株売買のセンスがある人たち
リーマンやコロナショックのリセッションを生かした人たちというのは、比較的若い層が多く、30代・40代の方もいられます。この層は投資歴も長く、経験も豊富です。個別銘柄の売買に長けている人たちが多く、知識ももちろんあります。
また、投資に関しての造詣が深いがゆえに一家言持っているケースが多いです。いわば、配当金生活を実現するために投資をしたというよりも、好きな株式投資をしていたら働く必要が無くなった、こういう人たちです。
「好きこそものの上手なれ」とは言ったもので、朝から晩まで個別銘柄研究をしていても疲れない、そういう人もいます。
50歳過ぎまで働いてのアーリーリタイア組
インデックス投資でアーリーリタイアを実現した方もいます。よく使われる投資信託は分配金を出さないことが多いので、配当金生活とはまた違うかもしれませんが、経済的自由を得たという意味においては近しいです。
ただし、早期退職制度の優遇された退職金や年金から推察するに、属性もかなり左右するように思われます。
インデックス投資は手堅いですが、ある程度まとまった金額の継続した入金がないとリタイアするほどの資産を築くのが難しいです。大負けもしないが、大勝もしません。あくまで老後に困ることがないように、緩やかに平均点の資産運用をするのに向いています。
そのため、インデックス投資の基本は長期投資となります。頻繁な売買はしません。特に売ることはほとんどないと言ってよいでしょう。シンプルです。ただし、一般的なサラリーマンの給与でインデックス投資を行い、それで30代あるいは40代でアーリーリタイアというのはリターンを考えるとやや難しさを感じます。
時間を味方につける投資だからですね。
さて、こうしたことを踏まえてご質問をご紹介します。
年間分配金80万円を目指したい
たぱぞう様
お忙しい中失礼します。今回は、相談させていただければと思いメールさせていただきました。もしよろしければ、回答していただけると幸いです。
現在年齢は28歳で、普通預金は2600万円ほどあります。生活費の300万円があれば十分なので、2300万円ほど投資に回したいと考えています。また、株価をずっと見ていることができないので、株価が下がっても売るつもりはありません。(長期保有)
理想としては、インカムゲインとして、分配金20万円以上が3ヶ月に一回でてくるところまでいけたらいいなと思っています。そして、キャピタルゲインも期待できると尚いいと思います。そこで僕が考えたポートフォリオは以下のものです。
- VYM:1000万
- S&P500:1000万
- NISA口座で、楽天VTI:毎月10万円積み立てる
分配金が20万円に届くように、預金が1000万円を超えたら、VYMとS&P500を一気に買い増そうと思っています。ただし、他の方を見て、あまりにも自分が米国に一点張りすぎるのかも・・と不安を感じました。
もし、たぱぞう様が2300万円を今から投資に回すとしたらどのようなポートフォリオになるのかを知りたいです。よろしくお願いします。
配当は計算しやすいので、目標額からの逆算が有効
日本株と違い、米国株の連続増配株は配当金が読みやすいです。減配・無配リスクが少ないからです。ただし、リスクフリーではありませんので、分散は必須です。
まず、3か月に1回20万円を得るということになりますと、年間で80万というのが目標になります。一か月にすると約10万円の配当金ですね。
配当金のみで10万円得るとすると、以下のような計算になります。配当利回りは現実的な高配当の利回りとして3%としましょう。割り戻すと以下のような計算になります。
- 80万÷0.03=2666万
ズバリ言って2666万円の投資金額が必要になります。3%で2666万円ですから、1000万ちょっと、1333万でも6%の利回りを求めれば実現可能になります。そう考えると、すでに2300万あるわけですから夢の実現はもうすぐですね。
しかし、利回り6%を狙った高配当株投資と言うのはリスキーであまりお勧めしません。銘柄が限られすぎるのと、おそらくキャピタルゲインが殆ど期待できない銘柄だらけになるからです。
ジリジリと入金して買い続けていく
結論から言いますと、今は普通のETFで配当金生活の素地を作るには非常に難しい状況です。バーゲンセールというわけではないからです。多くのベテランがリセッションを生かしたように、たまに光る稲妻の時をとらえたいですね。
ただ、すべてをキャッシュとして持っておくのはリスクを取らざるリスク、ということでこれも難しいことです。
私ならば、ひとまず資産3000万円超えを目指してコツコツと入金をしていきます。給与からの入金も同時に行います。買う対象は配当金を狙うということでしたらVYMが最有力になるでしょう。
ちなみに、不労所得の加速を狙うならば、個別の高配当株、あるいは不動産・太陽光といったハードアセットをトッピングするとずいぶん楽になります。
VYMは指数連動の買いやすいETFです。ただし、VYMだけですと歩みは非常にゆったりとしたものになります。焦らず、いろいろな分野の知識を身につけつつ、月々50万程度を上限に投資をしていけば良いと思いますよ。そうすると、おおよそ4年近く時間を分散させることになりますね。
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