職場の後輩が結婚をする
職場の後輩が結婚を控えています。昨年まで一緒の部署だった後輩で、29歳のやる気あふれる美人女性です。毎日バリバリ働いています。素晴らしいことですね。同じ部署だった時から、ちょこちょことお金の相談に乗ることがありました。
その後輩が、夏休み明けの私に「聞いてほしいことがあります。」ということで真剣なまなざしを向けてきました。思った以上に話が盛り上がり、考えさせられましたのでここで記事にしたいと思います。
奨学金の返済を第一に考えた
まず、結婚するにあたり自分の奨学金をどうにかしようと考えました。国立大出身ですので学費は私立大学ほどではありません。しかし、一人暮らしだったので、その間の出費が大きくならざるをえませんでした。
そのため、30歳目前の時点で数百万の残債がありました。社会人になってからの生活も1人暮らしだったわけですが、貯金に励み数百万を貯めることができました。
しかし、借金した状態で結婚したくないので、思い切ってその貯金を取り崩し、全額残債一括返済をしたそうです。思わず、「奨学金金利って0.5%ぐらいだから、取っておいて運用しても良かったんじゃない?」と言いかけました。
しかし、結婚するにあたって借金ゼロでお嫁さんになりたいというのは、非常に殊勝で、良い判断だと思いなおしました。済んだことをアレコレ言ってもしょうがないですしね。
奨学金返済に関しては、結婚するということで親に協力を申し込んだそうです。しかし、「自分の大学学費なんだから、最後まで支払いなさい」というご指導を受け、状況を変えることはできなかったそうです。
今は大学の数が増えすぎ、本当に助成しなくてはいけない大学への助成も満足にできないような状況ですから、難しいですね。しかも、新規学生を獲得するために無駄な施設リニューアルや学部増設がいまだに続いています。
常に斬新で、規模の拡大を目指さなくては成り立たない大学経営はいつか破たんするのではないでしょうか。人口拡大期におけるビジネスモデルだからです。
そのあおりを若い人たちが受けているということですね。いや、いずれ大学学費を払う親もそうです。一部の大学は進学に対する見返り、つまり自分の価値を高めて職業選びへ繋げるということができなくなっています。
それは私立大学の文系において顕著で、将来を見通した進学戦略が大事な時代になっていると言えるでしょう。まあ、話を戻しましょう。
結婚資金が無くなったのは僥倖かもしれない
結局、結婚資金と思っていたお金がスッカラカンになり、落ち込んでいました。「一生に一度の結婚式のお金も無いなんて・・・」というわけです。
「だから、たぱぞうさん、お金貸してください。」という話ではないです。
ここで、私が最初に話をしたのは、これは意外に僥倖かもしれないということです。というのも、日本の一部のブライダルビジネスはバレンタインデーやクリスマス、はたまた恵方巻のように、完全に根拠なき熱狂になっています。
つまり、「一生に一度」といううたい文句で、やれ机上の花が数万、やれこの演出が数万、と際限なくお金が乗ってきます。これは完全に私たち日本人の「みんながやるからやる」という性格を見抜いた戦略です。
ブライダルビジネスが今以上に羽振りが良かったころの、新興ブライダルビジネス企業の社長の派手な暮らしぶりを考えるとわかります。実にうまいことできているのです。乗せる側というのは常にしたたかなのです。
ですから、この流れに乗らず、感じの良いレストランなどで親族だけでやる、そういう縮小させたお披露目会のようなものを視野に入れるようになったことは、逆に良いことだと言いました。
最初の金銭感覚をすり合わせることが大事で、結婚したからと言っていきなり家や車、結婚式全てに全力投球するのは違うということです。
縮小経済を生きるというのはこういうことだと思います。
この後に資産運用の話になるのですが、字数が長くなりすぎますので、それはまた後日にしたいと思います。
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