たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

核家族世帯の割合から見る、今後の日本人の生活スタイル

増加を続ける核家族世帯と、減りゆく構成人数

 21世紀に至るまで、日本において増え続けた世帯の形が核家族です。核家族というのは、両親、子どもからなるミニマムの家族構成を言います。かつての日本は、祖父母、親、あるいは兄弟姉妹と同居というスタイルでした。

増える世帯と減る世帯人数

増える世帯と減る世帯人数

  ここまで核家族が進行したのは理由があります。

  1. 経済的に自由になった。
  2. 個を尊重する文化がそれなりに根付いた

 以下、簡単に触れてみます。

経済的に自由になった

 核家族が進行した第一の理由は、経済的に核家族で独立できるだけの収入ができたということです。これは、日本有史上において稀です。現代社会以外に殆どありません。家族単位が大きいということは、相互扶助の機能が働くことを意味します。

 

 核家族で生活できるだけの収入が無いならばどうでしょうか。必然、大家族でシェアすることになります。経済的に厳しいほど、人数が大きくなります。さらに厳しくなると親族を超え、ご近所、つまりエリアで互助的に生きることになります。

 

 当然そこには多少の価値観の軋轢や精神的な住みにくさが生じるわけですが、背に腹は代えられません。村八分という言葉は、まさに互助組織の見えざる強制を指す言葉です。村八分にあっても、そのコミュニティを抜け出せない経済的事情と文化的な背景があったわけです。

 

 他方で悲しいことに、スケープゴートのように弱者を作り、階層化するのは大組織での本能です。時にはそのネガティブな感情は意識されないままに組織の共有になり、組織の安定として機能をしてきた面があります。

 

 こういった軋轢と距離をおけるのが核家族です。経済的な豊かさと共に手に入れた自由の1つです。

個を尊重する文化がそれなりに根付いた

 日本だけでなく、東アジアにおいては個よりも家、組織が尊重される時代が長く続きました。しかし、敗戦により欧米的な価値観が導入された結果、個を尊重しようとする機運がうまれました。

 

 内資系と外資系の社風の違いは、この個に対する根本的な価値観の違いもあります。

 

 今も個を尊重しているとはいいがたいですが、理解を示そうとする素地ができたのはドラスティックな変化と言って良いでしょう。

 

 今の日本はそれなりに能力に応じた生き方の自由があります。かつては、前述の家やエリアに縛られ、そのような自由は生き方の第一義ではなかったわけですね。

 

 しかし、今後はこのような「自由さ」と経済的なバランスが再び問われる時代になると予想します。

 

 さて。前段が長くなりましたがご質問を紹介します。

夫婦+妹で核家族のような世帯を形成している

 いつもブログを読みながら新たな見地をいただいております。

 

 経済的な視点のみでなく、社会的な視点も含めてブログを書かれているたぱぞう様に個人的なご意見を伺いたいことがあります。


 前提として、未来は誰にもわからないことは承知です。将来、できれば50代のうちにリタイアして海外へ移住することを希望しています。しかし、日本のアドバンテージはこのまま続かないと考えております。


 アドバンテージを持ちつつ、東南アジアへ移住をするとしたらいつくらいまでがリミットだと思われますでしょうか?


 ちなみに地方の実家近くでパートナーと同棲中です。結婚や子供を持つ予定はありません。東京へ単身赴任中の結婚願望のない妹も一緒に3人で海外生活を計画しています。

<収入>

  • 自分 35歳(看護師)450万
  • 彼 35歳(看護師)600万
  • 妹 34歳(国家公務員)700万

<資産>

  • 自分:約2,000万
  • 内訳は、VTI 700万、VYM 200万、日本個別株 300万、WealthNavi 50万、預金500万
  • 積み立てNISA 楽天VTI 40万/年、iDeCo iFREE NY 2.3万/月、WealthNavi 積立 1万/月

 リーマンショック時にオーストラリアへ移住を考えて1ASD≒75円で替えた豪ドルが2週間満期定期(年利1.1%)2万ASD 

  • 彼: 約1,000万
  • VTI 300万、VYM 100万、日本個別株 100万、WealthNavi 50万、預金500万
  • 積み立てNISA 楽天VTI 40万/年、iDeCo EMAXIS slim 米国 1.2万/月(公立病院で共済のため)、WealthNavi 積立 1万/月

 

  • 妹:約2,000万
  • VTI 400万、VOO 400万、VHT 100万、仮想通貨 100万、預金1000万
  • 積み立てNISA 楽天VTI 40万/年、iDeCo 不明 1.2万/月

 

 今後、自分150万、彼200万、妹200万ずつ毎年運用にまわせそうです。


 いずれは両親の介護問題もあるため、実家を拠点として永住権ではなく長期滞在VISAも視野には入れています。実家は10年前に建て直し、両親他界後は現金で姉妹2人それぞれ2000万くらいずつ相続できる予定です。

 

 資金作りのため50歳代まで働いているのでは、アドバンテージを得るには遅いのでしょうか?ぜひ見解をお聞かせください。よろしくお願い致します。

今後、ゆっくりとしかし確実に世帯のありかたは変わる

 素晴らしい、なおかつ新しい家族の形を実践されていますね。私は基本的にペシミストですから、この30年がそうであったように今後日本経済は徐々に、そして相対的にシュリンクしていくと予想します。

 

 そういう意味においては、早々に核家族の範囲を広げ、互助的かつ互恵的に生活をされているのは現実的と思います。

 

 世帯年収で見ると1750万円になります。しかも、個人ではなく分散しているので税負担、社保負担は比較的軽いです。

 

 また、世帯の貯蓄で見ると5000万円あります。また、キャッシュフローも潤沢で、毎年15年、今後550万ずつ投資できるわけです。

 

 単純に貯金しても目標の50歳までに8250万円貯まります。15年運用すればさらに大きくなるでしょう。コンサバに見ても15年で1.5倍程度は見込んで良いのではないでしょうか。

 

 十分リタイヤメントビザの要件は満たしますね。

懸念材料を上げるとするならば、グローバリズムをどう見るか。

 懸念材料としては、円が相対的に弱くなりつつあるということですね。この20年はそうでした。エリアによっては、開発途上国でも日本よりも生活コストがかかるようになってきています。

 

 また、現在の1億円と将来の1億円は等価ではありません。粛々と海外投資をしつつ、世帯年収を上げていくというアクティビティは変わらないですね。

 

 移住する国にもよりますが、今の生活スタイルを維持しつつ、価値観を共有できるならば十分果たせる夢です。前提としては海外投資をコツコツ続けるということになります。

 

 国外生活を想定しつつ、国の幅をひろげれば達成可能です。たった1度の人生ですから、計画的に夢をかなえたいですね。

 

 ともにがんばりましょう。

 

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