人生の3大支出に備える投資は安心安全が大事
人によって投資の目的は様々です。最も堅実に運用したいのは、人生の3大支出に備える投資です。3大支出とは、以下の支出を指します。
- 教育支出
- 住宅支出
- 老後支出
そもそも資産運用とは、この3大支出に備えるというのが王道で、最もシンプルです。シンプルというのは、つみたてNISAやiDeCoなど制度が整えられた環境で、インデックス投資をすることで目的を達成できる可能性が高いという意味です。
逆に、FIREなど人と違った人生を歩むには、それなりにリスクを取らないと実現は難しいということになります。将来の年金が減り、なおかつ勤労所得が激減するのが一般的だからですね。
また、1の教育支出や,2の住宅支出は所帯を持つことと関係が深いです。所帯持ちのFIREが少ないのはこういうことですね。逆に、実家で暮らし、その家も相続し、となるとFIREのハードルは必然かなり下がります。
そういう意味では、どのような人生を選択し、投資をしていくのかということは、実は20代あるいは30代でかなりの部分決まってくるということです。
さて、今回は定年まで働くことを前提とした方からのご質問を紹介します。
定年まで勤め、同時に老後支出への備えもしていきたい
たぱぞうさん
はじめまして、今年から投資を始めたアラサー投資初心者です。たぱぞうさんの本など5〜6冊投資本を読み終えて今に至るところです。現在の状況や今後の方針についていくつかご相談させて下さい。よろしくお願い致します。
基本的な情報は以下の通りです。
- 私 34歳、年収550万
- 妻 29歳 専業主婦
- 子2人(3歳、0歳)
第二子が1〜2歳になるタイミングで妻も働きに出る予定です(パートかな)
- 貯金850万(生活防衛資金300万+緊急事態時の資金350万、投資余力資金200万)
投資状況
- 積立NISA 年間40万(S&P500 100%、始めたところ)
- 企業型確定拠出年金 年間33万(オールカントリー100%、現在40万程度)
- ドル建て終身保険 年間30万(現在100万程度、あと11年間支払う予定)
子どもが大学受験まで(あと15年間)積立NISA、確定拠出年金を積立て、そこからは毎月の積立が厳しくなると思うのでそこまで積立た金額を寝かせて運用継続予定です。
保険もあと11年払って死亡保険が必要なくなるまではそのまま運用予定です。3%とのことですが手数料等引いて実質2%くらいの利回りと思います。
①老後に向けた考え方について
定年は延長され65歳には最低なると思います。セミリタイアは目指しておらず地道に65歳まで働くつもりです。退職金は1500〜2000万が見込まれます。65歳時点で退職金+積立ニーサ+確定拠出年金+保険+その時の現金ということになり、老後の備えはこれでカバーできて守りはよいかと考えていますがどう思われますか?
無難、何かを足した方がよい、逆に少し減らしても良いなど。
②余力資金200万で老後までの生活を少しずつでも足しにしていきたいと考えており、VYMかHDVかSPYDに暴落局面で徐々につっこもうと思っています。
①の投資信託では取り崩すときまで生活の足しになっている実感がないので、②に関してはキャピタルゲインは目指しておらずインカムゲイン重視で投資していきたい考えです。
個人的にSPYDでもある程度分散されていて良いのではと候補に挙げています。この考えについて何かアドバイスや注意点等いただけませんか?上手く伝えられているかわかりませんが、上記2点についてよろしくお願い致します。
定年を視野に入れつつ、投資もしっかり、人生3大支出への備えは盤石
まず、守りに関しては盤石です。
勤務先によりますが、定年まで働く時点で厚生年金も含めた老齢年金が満額出ます。そのうえ、退職金もフルで出ます。これだけで老後2000万円問題は解決します。大事なのは、そのようなことが望めそうな勤務先かどうかということですね。
年金制度はFIREを前提にしていませんので、FIREを目指すといろいろ計算が必要になります。しかし、質問者さんのように長く勤続年数が取れるならば、それが最も安定しています。労働資本は一番の財産ですね。
次の生活の足しの部分です。HDVやSPYDはやや構成銘柄に偏りがあります。端的に言うと、成長性よりも成熟性が勝っており、インカムに重点を置いています。
米国の成長企業を内包したS&P500やVTIのほうがトータルのリターンは大きくなる可能性が高いです。
これを踏まえたうえでの高配当ETFの取り組みというのは妥当性があります。また、分散性は同じ株式ですので期待できません。純粋にリターンを高める、分散性を高めるということだと、合致しません。
いずれにしても、お若いのでこれからの資産運用が楽しみですね。定年まで勤めあげるという意識と、勤労所得以外の所得の可能性に気づけた時点で大正解です。
共に頑張りましょう。
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