事業売却後の資産運用、老後の資産運用をどのように考えるか
50歳を超えると、人生もいよいよ終盤、総まとめに差し掛かってきますね。人によっては早期退職も選択の1つとなりますし、事業者にとっては後進に道を譲ることを考え始める年齢かもしれません。
いずれにしても、資産運用は早めが望ましく、50歳という年は老後の生活を考えるうえで大きな分岐点といえそうです。
さて、今回は50歳で事業売却をされた方からのご質問を頂戴しています。
事業売却後の資産運用をどのようにしていくか検討しています
たぱぞう様
お世話になります、いつも大変興味深く拝見させていただいております、誠にありがとうございます。
今回ご相談させていただきたい内容なのですが、わたくしが創業した会社の売却に伴う株式譲渡益4億円(税引き前5億円)の運用についてでございます。
わたくし、地方に在住の50歳男でございます。子供たちは独立していますので今後多額の突発的な支出は無いと思っております。
今回の資産運用におきましては、生活費、住宅ローン返済、年間1千万円の貯金目標を含めまして年間2千万くらいの利回りを目標としております。
今検討中の内容なのですが、1億円は現金にて保有、1億円は太陽光発電(太平洋側で5~6ケ所、南海トラフ地震の影響が少ないと予測される場所)を考えております。
太陽光発電に関しましては、銀行から1億の融資を受けて総額2億円の出資を考えております。さらに1億円は東京にある独立系資産運用会社(創業20年以上です)に運用を委託、残り1億円は海外のETFを中心に運用したいと思っております。候補としている銘柄は
- VT
- VEA
- ACWI
- SPY
- IVV
- VOO
- SPYD
- IOO
- IJR
- HDV
- QQQ
- DIA
- VGT
- VHT
- VTI
- VYM
- EEM
- EWT
- LQD
- アセマネワンのグローバルESG「未来の世界」
- ニッセイ健康応援ファンド
この中から10本程度×1000万円の投資を考えております。全体の投資バランス、ETF銘柄の選択の考え方、などをご指導いただけましたら幸いです。
お忙しい中、お手数おかけしまして誠に恐縮でございます。何卒よろしくお願い申し上げます。
事業売却後に売り上げを担保する資産を持つかどうか
まず、事業売却後に資産管理会社などの事業体を作るかどうかですね。作るならば、不動産や太陽光などで売り上げを確保しつつ投資をしていくことになります。前の事業のつながりで金融機関とのお付き合いが続いているならば、良い選択となる可能性があります。
ただし、資産管理会社も事業の一環ですから、ペーパーアセットのみの資産運用に比べると少々の手間がありますね。すでに4億円がお手元にあるということです。そのリスクと手間を負う必要があるかどうかは検討の余地がありそうです。単純に年利回り3%でも手元に1200万円残るのです。
次に東京にある資産運用会社ですが、成功報酬が10~20%、信託報酬など各種手数料が1~2%というのはいささか重たいですね。それだけの実績がでていれば検討に値しますが、海外インデックスがこの10年10%を超えるリターンを示している中ではかなり厳しい評価になると思われます。
金融機関に紹介されたということですが、収益の1つになっているのでしょうね。融資先の限られる地方の金融機関は、収益をどのように確保するのか、大きな課題になっています。
相続などを含めた財産信託の相談込みならばあるいは、というところでしょうね。基本的にはお勧めしません。
最後にご自分で運用されるペーパーアセットに関してです。いろいろ調べてらっしゃいますね、大事なことです。ただし、SPY,IVV,VOOやVTI、あるいはVTやACWIなど似通ったETFも散見されますね。
シンプルにここはVTIかS&P500系のみでよいと思います。もっと言うと、外国税額控除をしなくて済む円建ての米系株式指数ですね。キャッシュポジションでリスクコントロールしつつ、積み立て投資をしていくということですね。ご資産がすでにかなりおありです。
細かくポートフォリオを刻んでいくよりも、大きな柱を作り、保守的に運用していくのが良いですね。すでに、平均的なサラリーマンの生涯獲得年収を超えています。おやんちゃな投資や偏った投資をする必要はまったくありませんね。
安心安全を心掛けつつ、相続を考慮するという流れになってきますね。あとはメールした通りです。ご質問ありがとうございました。
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ペーパーのみにするのか、ハードアセットを入れるのか。それぞれ考え方がありますね。私はペーパー主体ですが、収入を安定化させるためにハイブリッドで資産を形成しています。
金融機関の提案を吟味し、自分とファミリーにとってベストな選択をするのが大事ですね。資産があればあったで、またそれは悩みどころですね。
資産額が大きくなると、単純に得られる利益も大きくなるのでごちゃごちゃせずにシンプルにポートフォリオを組み立てたほうが逆に良いでしょう。