世界のビールの価格ランキング
世界のビールの価格ランキングをご紹介します。これは、原価を比べたものではなく、パイントあるいは生中ジョッキの価格を比べたものです。したがって、酒税が含まれています。
イコールで物価を表しているわけではありませんが、参考になるので下記に掲載します。
Cost of beer around the world - Business Insider
この表を見ると、北欧のノルウェーではビール1杯で10ドル近くしています。ノルウェーは1人当たりGDPが高い、平均年収も非常に高い国です。同じように、シンガポールや香港といった都市国家や大都市も比較的高く出ています。
実際にシンガポール在住の友人に言わせると、「ビール一杯の価格は感覚的に1500円ぐらい」という話です。また、香港在住の友人に言わせると、これまた「日本の1.5倍ぐらいはするね、全体的に物価が高い」と言います。
対する東京はドルベースで4.3ドルですから、この中では比較的安い部類に入るでしょう。マレーシアのクアラルンプールと殆ど同じ値段です。ただし、マレーシアはイスラム国家であり、お酒にはさほど寛容ではありません。そのため酒税が高いです。
観光収入が見込まれ、そのため免税の島になっているランカウイではビールはもっと安い、半額程度、あるいは以下になります。マハティール首相のおひざ元であり、マハティール氏の地元経済テコ入れ政策の一環と言ってよいでしょう。
東京の場合は1リットルで220円の酒税です。100円近くが酒税と考えると、原価で300円前後ということになりますね。よく街中でみる「ビール一杯300円」というのは原価カツカツ、あるいは税率の低い発泡酒ということになります。
インドも1人当たりGDPの割にはビールが高いです。キングフィッシャーという地場ビールメーカーがあります。ただし、インドの場合は地域にもよりますが、割と真面目にヒンズー教を信仰しており、おおっぴらにビールを飲みにくい雰囲気があります。
店によっては、瓶や缶でそのまま出さず、ヤカンなど他の容器に移し替えてくるところもあるほどです。マレーシアなどと同じく、酒税を取る大義名分も立ちやすいです。ビール代もそれなりになっています。
私の知る限り、最安のビールはベトナムのビアホイです。私が駐在していた15年前は1500ドン、10円ちょっとで1杯飲める店がありました。今は値段があがって、最安3000ドン、それでも20円以下で飲める店がいまだにあるという話です。
そういう激安店というのはたいてい屋台で、道端でバイクの喧騒にまみれながら頂きます。ビアホイはすこし薄味で、無限に飲める良さがありました。サッカーなど運動の後に飲むと、それこそ大人のポカリスエットという感じでしたね。
世界のビール事情はさまざまです。酒税という国事情はありつつも、いずれにせよ世界の大都市から見ると日本は物価の安い国になりつつあります。
私たちは東南アジアやアフリカを旅すると、物価の安さを実感します。同様に北欧やアジアの大都市に住む人たちからすれば、日本も物価の安い国と感じる存在になりつつあります。
ビールの価格だけでなく、賃金も相対的に安くなった
実は、かつては東京のビールの値段ランキングというのはもっと上位に位置していました。東京は物価の高い都市だったのです。長らく日本はデフレであり、貨幣価値が上がっているといわれてきました。
しかし、国内ではそうだったかもしれませんが、世界のほとんどがインフレでした。そのため、この20年で日本の物価は世界から見て相対的にかなり安くなりました。先にあげたビールもそうです。
そして、私たちの賃金もそうです。私たちの賃金が停滞している間に、世界のほとんどの国の賃金はインフレと連動して、あるいはインフレを上回る勢いで上昇し続けたのです。これはそのまま高度成長期の日本と重なりますね。
日本人の賃金の推移
平成10年と平成29年の賃金の比較をしてみましょう。
男女の平均年収29.9万円→30.4万円
男性の平均年収33.6万円→33.5万円
女性の平均年収21.5万円→24.6万円
20年経って、殆ど賃金が上昇していないのが日本という国です。日本は人口が多いので、国家レベルでみれば世界3位のGDPを誇ります。しかし、一人当たりGDPでは20位から30位の間に位置する国になっています。
投資をするならば、経済力が向上している国に投資するのが基本になってきます。以前のように、在住する国の情報しか得られない、そういう時代ではなくなりました。せっかく得られる情報があるわけですから、世界に広く目を向けて投資眼を養いたいですね。
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