たぱぞうの米国株投資

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親からの贈与金は世代間の資本の移転を意味する

世代間の資本の移転は大きなテーマとなりつつある

 世の中にはいろいろな資本があります。

 物的資本(不動産・設備・機械)、人的資本(知識・スキル)、金融資本(株・債券)といったものですね。

 

 物的資本は例えば不動産の相続等々、人的資本であれば教育機会等々、金融資産はお金等々ですね。

 

 今ある資本を次の世代に送っていくことは意味深いことです。世代を超えた資本のバトンですね。この資本のバトンがあるからこそ、資産形成の飛び級ができるのです。ない場合は、またゼロからのスタートです。何十年と資産形成に時間がかかります。個人的にはこれは非効率著しいと感じます。

 

 しかし、豊かだった年長の世代では贈与を始めとする世代間の資本の移転は一般的ではありませんでした。有り余る資本を持つ富裕層がすでにそのようにしていたぐらいでしょうか。

 

 宵越しのお金は持たない、という考えはまさにそうでしょう。しかし、今後は世代間の資本の移転は一つの考え方として定着していくのではないでしょうか。

 

 理由は、世の中の不確実性が増し、グローバルに富を分け合う時代になりつつあるからです。換言すると、冨の帰属に占める属人的な割合が増す、ということになります。生まれたところや、皮膚や目の色で豊かさが決まる時代ではなくなりつつあるということです。

 

 また、一代で財産を築くのは限りがありますが、二代、三代と時間をかければよりチャンスが増えます。

 

 これと真逆の考え方がDIE WITH ZEROですね。いずれにしても多様な考え方に触れ、自分自身の生き方やあり方を練っていくのは価値あることです。私はDIE WITH ZEROにはせず、年を取ればとるほど資産が増える生き方を選択しています。

 

 さて、今回は贈与を受けるという方からご質問を頂戴しています。

親から贈与を受けるが、どのようにして運用するのがベストか

たぱぞう様

いつもブログ拝見しております。
資産運用についてご相談させていただきたく、ご連絡いたしました。

 

家族構成
夫43 私36 子供2人(7歳、4歳)

 

収入
夫(年収1100万)私(500万時短、正社員)

 

資産

  • 現金1000万
  • 投資信託 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)200万
  • NASDAQ 30万
  • 米国個別株 50万 (エクソンモービル、マクドナルド、アリババ)
  • 日本個別株 400万(夫が結婚前に自社株積立をしていたもの、大幅に含み損のまま放置)

2023年 7200万の自宅を購入しました。

 2000万円頭金を入れ、5200万の住宅ローンを組んでいます。(夫名義)

 車は保有していません。

2020年からお小遣い程度に取引していましたが、利益が出ては売却を繰り返し、今年に入ってからきちんと積立で運用し始めた初心者です。(月15万オールカントリー)

 

 夫は、保守的なタイプで金融リテラシーは低め、運用に反対な訳ではないですが、自分で動くタイプではないです。(運用経験なし)


 私は金融系で働いており、FP2級程度の基本知識はあります。

 話がそれましたが、運用について相談です。


 両親から暦年贈与してもらえることが決まり、今までより運用に回していきたいと思っています。

 

 来年の貯金予定額が家計から300万

 両親からの暦年贈与 300万(今後、贈与税がかからない範囲で数千万程度)  

 計600万 が運用予定可能額です。

 

 たぱぞう様でしたら、どのように運用されますか?600万円全額を運用に回すのはやりすぎでしょうか。考えているのは、オールカントリー、SP500を増額して積立です。

 

 相場がよい中で投資を始めている怖さもありますが、現状を変えていきたいという気持ちが強いです。家計の目処がたてば、私は働き方を変えたいという希望があります。

 

 上の子供は中学受験を考えています。(下の子も希望があればさせてあげたいと思っています)夫の収入は近年で上がりましたが、今後これ以上の大きな増加は見込めません。


 拙い文章ですが、宜しくお願いします。

贈与、世代間の資本の移転を投資機会として生かす

 暦年贈与で300万ということは、贈与税を支払いつつということですかね。200万以下で10%、300万で15%ですから、アリです。相続税だと控除以上は最大55%ですから、コツコツ贈与することは理にかなっています。

贈与の速算表

贈与の速算表

 また、実はこの課税機会を作っておくことは意味深いことです。遡及して二重に課税することはできませんから、良い方法です。


 詳しくはここでは言及しませんが、今後教育資産の都度贈与なども視野に入れると良いでしょう。これも上の世代から若い世代に向けての有効な資産の移転になります。


 さて、運用可能額の600万ですが、まずNISA枠を埋めることですね。ご夫婦の枠を埋めるか、それともご自分の分だけを埋めるかは、ご夫婦の関係によるでしょう。唯一無二のパートナーならば、ご夫婦の枠を全力で埋めることになります。


 ただ、個人的には基本は各々ご自身で運用されることをお勧めしますね。何かあった時に分与となると揉める種となり、なおかつ年収差を埋めるにはちょうどよい資産となるからです。


 なぜこのような話をするかと申しますと、熟年離婚などで苦労された、あるいは苦労されているご夫婦をたくさん見てきたからです。


 まとめます。今後継続性をもって生じる贈与分は、ご自分のNISA枠と特定口座で運用されると良いでしょう。トータルで仮に2000万贈与されるとするならば、年間400万ずつ分散投資されるといいです。これで5年の時間分散になります。

 

 その間で株式特有の値動き、為替の動き、これらも許容できるようになるかと思います。慣れれば5年にこだわらず投資のスピードを早めても良いでしょう。喫緊に必要な資金ではないからですね。

 

 共に頑張りましょうね。

 

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