2017年に改定されたバンガードETFの経費率一覧
バンガードの経費率が立て続けに改定されています。毎年のように経費率を下げてきているバンガードの商品群ですが、下記のようになりました。
ティッカー | 名称 | 経費率 | 改定前 |
VEU | バンガード®・FTSE・オールワールド(除く米国)ETF | 0.11% | 0.13% |
VGK | バンガード・FTSE・ヨーロッパETF | 0.10% | 0.12% |
VPL | バンガード・FTSE・パシフィックETF | 0.10% | 0.12% |
VSS | バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップETF | 0.13% | 0.17% |
VWO | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF | 0.14% | 0.15% |
VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 0.11% | 0.14% |
BNDX | バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(米ドルヘッジあり) | 0.12% | 0.15% |
VWOB | バンガード・米ドル建て新興国政府債券ETF | 0.32% | 0.34% |
VYM | バンガード・米国高配当株式ETF | 0.08% | 0.09% |
VXUS | バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国)ETF | 0.11% | 0.13% |
VWINX | バンガード・ウェルズリー・インカム・ファンド | 0.22% | 0.23% |
VTIP | バンガード・米国短期インフレ連動債ETF | 0.07% | 0.08% |
※バンガードのサイトから適宜作表
私は世の中にある投信、ETFはバンガードとブラックロックが図抜けていると思っています。それは、この表のように毎年経費率を下げる努力を重ねているからです。もちろん、運用している資金が引き上げられるようなことがあれば経費率は上がります。
しかし、基本的には投資の世界は右肩上がりで運用資金が流れ込んできています。時々訪れる大暴落の時には資金の引き上げということがありますが、長い目で見れば運用資金は大きくなる一方です。
とくに米国のような経済成長国にあってはそうです。バンガードのETF経費率は今後も世界最小の1つでありつづけるでしょう。
VT、VYM、VWO、人気ETFの経費率
VYMとVWOがそれぞれ0.01%ずつ下がっています。特にVYMは今回の改定で0.08%にまで下がっており、一昔前のVTIとそん色ないレベルまでになりました。順調に資金が流れ込んできているということです。
※バンガードのページから
また、日本人投資家に大変人気あるVTは一気に0.03%も下がりました。VTはかつてはやや経費率が高めで知られていました。そのため、他のETFと組み合わせて経費率を下げるという方法も検討されてきました。
しかし、単体でこれだけ下がってくると、運用対象国を分散させたい人にとってはVT一本で事足りそうです。手間を考えるとそのメリットは十分にあると言えるでしょう。
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2016」ではVTは3位
ちなみに「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2016」ではVTは3位でした。なお、2009年には1位でした。このように常に上位に入り続けています。
バンガードの安定感と企業努力、商品の価値を考えると、最も高い評価を与えられ続けているETFの1つというのは妥当と言えるでしょう。
ちなみに「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」は2007年という最も投資に難しい年に始まっていることが素晴らしいと思います。ぶれない投資方針があるからこそ、リーマンショックを乗り越え、今に続いているわけです。
あの相場環境に遭ったら、多くの人が相場に向き合いたくなくなったのではないでしょうか。ましてや人のためにイベントをやる元気も出ません。実際、リーマンショックを境に投資やブログをやめた人は大勢いるのです。
そんな修羅場を乗り越えた人たちを中心として脈々と続けてこられたわけです。今では投信業界の方とユーザーの貴重な意見交換の場としても機能しており、関係のブロガーの方々の積み重ねてこられた仕事の努力と意義を考えると、ただただ頭が下がります。
日本の投資環境を改善するのに大いに貢献してきたイベントだということを申し添えておきたいと思います。
バンガードETFの経費率引き下げを受けた、今後のETF投資方針
私はアメリカ一本のほうが良いと考えて特にVTIやVYMに比重をかけて選好しています。1万ドルだけVTに投資もしていますけどね。2017年に入って株式ETFは購入していませんので、相場の状況によっては買いたいと思っています。
ただ、VTIやVYMは非常に順調に取引値が上がっており、正直買場を逃してしまった感があります。反面、利上げの流れをうけて債券系のBNDが下がってきています。今回の経費率改定では登場しなかったBNDですが、すでに十分低い0.06%です。
引き続きBNDの値動きに注目をしています。
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BNDについての単独記事です。