セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとは
セゾン投信からバンガードの商品を中心に組み立てたバンガードバランスファンドという商品が出ています。
ある程度投資に興味がある投資家ならば、ファンドオブファンズ形式の商品をあえて買うことはないかもしれません。ファンドオブファンズの商品は、ちょっと調べれば手口が分かるからです。
手口が分かってしまえば、それを真似して買うか、取捨選択して買うかしてしまえばよいわけです。しかし、リバランスなどを自動で行ってくれることから、そういう手間を省きたい投資家には人気があります。
また、ファンドがバンガードということで、比較的抑え気味な信託報酬(0.68%±0.03%)も魅力と言ってよいでしょう。ある意味ではロボアドバイザーのようなもので、手軽に投資を楽しむには良い商品だと思います。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドで採用する指数
採用しているファンドは以下の通りです。
- バンガード・U.S. 500 ストック・インデックス・ファンド
- バンガード・ヨーロピアン・ストック・インデックス・ファンド
- バンガード・ジャパン・ストック・インデックス・ファンド
- バンガード・パシフィック・エックスジャパン・ストック・インデックス・ファンド
- バンガード・エマージング・マーケット・ストック・インデックス・ファンド
- バンガード・U.S.・ガバメント・ボンド・インデックス・ファンド
- バンガード・ユーロ・ガバメント・ボンド・インデックス・ファンド
- バンガード・ジャパン・ガバメント・ボンド・インデックス・ファンド
合計8つのファンドからなります。トラッキングしている指数を参考にETFに置き換えてみます。ユーロ圏の債券と日本国債はETFでは買えません。
- S&P500なのでVOOですね。
- MSCI Europe IndexなのでVGKですね。
- MSCI Japan IndexなのでEWJですね。
- MSCI Pacific ex-Japan Indexということで、日本を除いたアジア太平洋の先進国株です。EPPになります。
- MSCI Emerging Markets IndexなのでEEMになります。
- Bloomberg Barclays U.S. Government Float Adjusted Bond Indexです。残存期間1年超の米国債、米政府機関債です。比較的短期ということでBSVが近いでしょうか。
- Bloomberg Barclays Euro Government Float Adjusted Bond Indexです。これも残存期間1年超のユーロ圏のユーロ建て国債です。EURというファンドがありますが、ちょっと買いにくいですね。
- Japan Government Bond Index Fundです。残存期間1年超の日本国債です。これもETFは見当たらず、日本人ならば生債券を買うのが理想でしょう。
組入れファンド・運用会社ご紹介|セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド|投資信託・積立投資ならセゾン投信
さて、こうしたことを踏まえて、ご質問を紹介します。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド解約後の投資戦略
たぱぞう様
いつも大変勉強になっております。
昨年のトランプショックで積み立てていたセゾン投信(バンガードバランスファンド)1000万分を解約してしまいました。
その後順調に、米国経済が上向いている中、ひどく後悔をしながら、再度投資信託に入金をしようか、米国ETFを中心に購入しようか悩んでおります。
そこで今回の相談ですが、
-
米国ETF中心で再度ポートフォリオを作る(VYM、IVV、VTIおすすめ割合があれば)(NISAではございません)
-
SPDR S&P500 ETFや、たわらシリーズ、世界経済インデックス(株式)に分散投資する(NISAではございません)
以上どちらを検討するほうがよいでしょうか。懸念事項としてはそれぞれ、
- 分配金、配当などの再投資ができないこと。購入手数料が高い(マネックス証券利用)ことで時間の分散が限界があること
- 信託報酬が高いこと
以上が気になる内容です。お時間あるときに、ご返答いただければ幸甚です。何卒よろしくお願いいたします。
やはり米国株ETFが一番良い
私だったらという前提でお話をします。私ならば、すっぱりドル転をして、ドルでポートフォリオをつくります。ただし、配当だけで再投資するには少額なので、給与の追加投資は必要になります。その際はNISAの枠を活用すれば、手数料は省けます。
投信などの円建ての海外株式投資は結局殆どMSCIコクサイ連動商品ですので、手数料の違いだけで選ぶことになります。手数料はおよそ0.2%前後が今のところの最安ラインということです。
ただし、このMSCIコクサイは私は個人的にはあまり好きではありません。せっかく成長国に投資することが可能なわけですから、あえて日本やヨーロッパなどの成熟国に投資をする必要は薄いと思います。※MSCIコクサイは日本は含みませんが。
ただ、PERを見ると日本やヨーロッパは割安とも言えます。これをどう考えるかは好みの問題かもしれません。日本においては、今後万年割安の可能性もあります。一方、投資先の地域に日本やヨーロッパを含むということは、分散投資を可能にするという考え方もあります。
私は、世界金融危機時にはヨーロッパや日本は米国よりも下げると予想していますから、地域分散の意味はあまりないと思っています。しかし、もし米国内で天変地異があったり、クーデターがあればその限りではないでしょう。
未来予測とは予測不可能なことがある限りにおいて100%ではありません。そのため、リスクとリターンの確率とバランスを考えて投資をするということになります。
米国株あるいは米国ETFを買うのが手間であり、敷居が高いと思う限りにおいては国内販売会社の投信というのは妥当性があります。積立投信などは非常によくできていると言ってよいでしょう。
しかし、もし米国株や米国ETFを買うことができるならば、リスクを理解したうえで、これを機会に乗り換えてしまうことをお勧めします。
その理由は、今回はちょっと文字数が増えすぎてしまいましたので、下記の関連記事もご覧いただければと思います。
関連記事です。
ポートフォリオの比率に関してはこちらの記事を読んでみてください。VTIとVYMは米国株式ETF、BNDは米国債ETFです。もし、諸外国をトッピングするならば他国のETFをトッピングするということになりますが、地域と国にはこだわりたいところです。
1年以上前の記事ですが、米国株は万人にお勧めできます。極論かもしれませんが、英語が分かる必要はないですし、財務諸表を精読できる能力もいりません。それが米国ETF投資です。市場全体が上昇する国にインデックス投資をするのが王道です。
バンガード創始者のジョン・C・ボーグル氏も現在、米国ETF一本で投資をしているということです。