たぱぞうの米国株投資

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老後貧乏にならない!サラリーマンのための退活読本

 老後貧乏にならない!サラリーマンのための退活読本

 退活、つまり退職活動ということです。

 

 私は基本的に単著を好むので、あまりムック本とか編著本を読まないのですが、キャッチーなタイトルに惹かれて読みました。

老後貧乏にならない!  サラリーマンのための退活読本 (日経ホームマガジン)

老後貧乏にならない! サラリーマンのための退活読本 (日経ホームマガジン)

 

 

内容は

  1. 早期退職お金マニュアル
  2. 定年後の生業探しのリアル
  3. 実家の空家対策 

 です。前提条件が50歳前後を想定しており、私はそれからするとかなり若いです。そのためいくつか価値観や時代観が違うところがありました。それでも、テーマ性があり、興味深く読めました。

 

 雑誌と違ってムック本は広告が少ないです。同じような話題やテーマを扱いますが多少高くてもムック本のほうが情報が精選されていて私は好きですね。

 

 1の「早期退職お金マニュアル」は退職金の運用例や、負荷の少ない嘱託などの仕事で年金支給までしのぐという実例が出ています。スッパリとインカムの無い状況で退職するというのは殆どの人にとって無理ですから、実際的だと思います。その分給与は下がりますが、精神的なストレスは正社員に比べると責任が少ない分、雲泥の差です。

 

 2の「定年後の生業探しのリアル」は様々な再就職の例が出ています。シルバー人材センターの紹介から、起業している例まであります。ただ、起業して上手やっていくというのはよほどの成功者ですね。

 

 この本は面白いのですが、欠点としてやや成功者、アッパーを一般化しすぎるきらいがあります。誰もが起業できるわけではないし、そんなにいい仕事についているわけではないんですけどね。

 

 年収減社会に生きる人がほとんどですから、アッパーな環境を描いた記事には需要がほとんどないと思われますが、この辺が記者と一般社会の感覚の乖離ということになるのでしょう。

早期退職というトレンド

 早期退職というのがトレンドになりつつあります。かつては定年まで働いて、子育てをして、老後を送る、というのが一般的でした。

 

 しかし、男女ともにシングルが増え、さらに仕事の負荷が年々増す中で、人間らしく生きる選択肢として早期退職が現実味を帯びています。

 

 かつて私たちの親なり祖父母なりの仕事環境は緩いもので、今ほど個人情報も厳しくなく、今ほど規制やら条例に従って提出しなくてはならない文書も少ない、さらには職場での飲酒やタバコもはるかに寛容でした。それが良いのか悪いのかは別にして、緩かったということです。

 

 今はミスが許されない、しかも本業以外の付随する仕事が増えるという中で、仕事本来の持つ面白さや本質的な価値を見失う人が続出しています。さらに、かつては少なくともアジアにおいては独占的だった製造業などは諸外国との競争にさらされ、コストカットの嵐です。

 

 日本企業総ブラック化とも言える状況が生み出されており、そういう中での早期退職希望の増加が「退活本」の背景です。

 

 ただ、今ある現状に不満を抱えても、先立つお金が無くては生きていくことができません。少なくとも自分、あるいは家族が養えるぐらいのお金を得て、経済的自由を獲得するというのが現実的なところです。

 

 仕事へ打ち込むことと並行して、副業まで行かなくとも組織だけではなく個人で生きる強さも要求されている時代であることを再認識しました。

 

 私の場合はそれが米国株投資であることは間違いのないところです。拠り所、というのはどんな時も持っていたいですね。それが困難な時代を生き抜くサバイバル術だと思います。