たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

アセットアロケーションと出口戦略

アセットアロケーションと出口戦略

 どのように資産の分散を図り、効率的に運用し、老後に生かすのかというのはなかなか奥の深い課題です。たぱぞうは一生投資を続け、出口は配当金を貰い続けるという形です。

 

 おそらく、あまり株数を取り崩すような出口は無いと思っています。これは、私の資産のほとんどが配当・分配金を出すタイプの資産だからです。分配金を出さない投資信託の場合は「取り崩す」ということも必要になってくるのでしょう。

 

 今回はこのアセットアロケーションと出口戦略についてご質問を頂いています。

理想のアセットアロケーションとは

たぱぞうさん
いつもためになるブログ記事をありがとうございます。今日は質問させてください。アセットアロケーションと出口戦略?についてです。

 

 夫は医療系の専門職56歳、妻は52歳の専業主婦です。海外に長く住んでいたこともあり、年金定期便によると夫の60歳時点での年金額は月に14万ほどのようです。


 資産は現在1億1千万。たぱぞうさんのブログなどで勉強し、NISAで夫はVTIとVTで、妻は楽天のVTIとVTで、去年から運用を始めました。他に株の勉強を兼ねてJT200株とNGG60株購入しましたが、後は全て預貯金です。


 65歳退職で退職金はありませんが、現在子ども達にかかっている教育費と職場の積立を合わせると退職までに4500万円くらいは積み上がりそうです。持ち家はないので、東京五輪前後の動向を見つつ退職までに家を購入する予定です(地方なので3000万円程度の物件を考えています)。


 外国(ヨーロッパ)で開いた銀行口座に500万円分ほど送金することを考えています(セービングアカウントで年利0.9%程度ですが、リスクヘッジのため)。過去のブログを拝見して検討した結果、不足する年金を補うため7000万を運用することにしましたが、何に投資すべきか迷っています。

 

たぱ注※セービングアカウントとは:セービングアカウントは利息の良い口座です。最低預金額が必要なことが多いです。普段使いは給与振込・支払い・引き落としなどに使用するチェッキングアカウントという口座があります。


 私たちの年齢だと守りの投資のBND100%がいいのでしょうか。VYMとVTIとBNDを3対1対6の割合で運用し、積みあがってくる資金でBNDを買い増すことで債券の比率を高めることも考えています。どう思われますか。また、出口戦略も考えないといけないと思っています。


 いろいろな方の著書を読むと「必要な時がとり崩すとき」「取り崩すときは定率で」とありました。たぱぞうさんは出口戦略についてはどのようなお考えでしょうか。


 また、自分が高齢になった時に海外ETFの売却を含めた資産運用が面倒にならないか漠とした不安があります(海外の銀行口座の分は手を付ける必要がなくなったら海外に住む子どもにそのまま贈与予定です)。

 

 そのため夫名義では海外ETFを、妻名義では楽天のバンガードの投資信託を考えています。夫が無収入になった時に外国税を取り戻せないことと(理解は正しいでしょうか)、税金を取り戻せないなら日本円で戻ってくる楽天の方が楽なのかなと思っています(資産運用、税金関係は妻の担当です)。


 まとまらない文章で申し訳ございません。お答えいただければ大変ありがたいです。
寒い日が続きます。どうぞご自愛ください。

キトサン

 

追伸
 たぱぞうさんのこの国の未来についての記事も参考になります。自分も知識を蓄えなければといろいろ本を読んでいます。白井さゆりさんの「東京五輪後の日本経済」が最近読んだ本で特に読み易く、勉強になりました。恐ろしい未来が来ないことを祈りつつ、自衛できることは自衛しようと思いました。

元日銀審議委員だから言える 東京五輪後の日本経済

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 たぱぞうさんのお勧めの本のご紹介も楽しみにしています。

どのように分散させたアセットアロケーションにするか

 まず、アセットアロケーションの大きなテーマになるのが「分散」です。ご年齢を考えても何かに集中投資をするのは得策ではなく、投資の対象を幅広く持ちたいものです。そう考えると、BND(債券ETF)への集中投資は違うということになります。

 

 おっしゃるように「VYMとVTIとBNDを3対1対6の割合で運用し、積みあがってくる資金でBNDを買い増す」というのも1つの考えですね。悪くない比率だと思います。ただし、この場合は時間分散を心がけ、一気に買い付けることのないように配慮する必要があります。

 

 それと、海外ETFは慣れないと外国税額控除も含めてやや手間です。そのため、奥様の分を楽天バンガードで運用というのは理にかなっていると思います。投信まで含めると、ifreeシリーズやeMaxis Slim、Exei、ニッセイ系なども選択に加えても悪くないでしょう。

 

 そのうえで自宅購入ということですね。これが不動産投資家だと、安い住宅ローン金利を目当てに自宅兼アパートのようなものを購入・建築し、自宅部分の評価額を大きくしてほぼほぼ住宅ローンで収益物件を作り上げてしまうというスキームもあります。

 

 実際に不動産投資家である友人が行っているスキームですが、これはこれで「収益を生まない自宅」というデメリットをカバーする面白い発想と方法です。ただ、客付け等含めてやや難易度が高くなりますので参考程度ですね。

 

 年金額が14万だとすると、平均的な老後の夫婦の暮らしに必要な30万に16万円足りません。当面はこの16万円分をいかに作るのかということになりそうです。

 

 ただ、資産がすでに1.1億、退職までには1.55億円程度が見込まれるということですから、高配当銘柄を意識しなくても十分水準を達成できそうですね。取り崩すことも視野に入れればかなりの余裕が出てきます。

 

 何か参考になれば幸いです。ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

  資産運用の出口戦略についてです。出口までに配当金と分配金がある程度出るようになれば、売却せずに済みます。

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  住宅ローンと投資の関係についてです。

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  2億円を米国株ETFで資産運用するということで、今回のご質問に似たところがありますね。

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