もう働かなくてもいい? 40代で迎えた人生の分岐点
40代。この年代になると、仕事、家庭、老後、親の介護、子供の教育と、人生のあらゆるテーマが一気に押し寄せてきます。若いころは駆け抜けてきましたが、だんだんと疲れを感じやすくなる年齢でもあります。
特に、資産形成が順調に進んできた方ほど「このまま働き続けるべきか」「もっと自分の時間を大切にすべきか」という大きな問いに直面します。
今回ご相談いただいた読者さんも、まさにその状況です。
夫婦で堅実に働き、投資で資産を積み上げ、気づけば1.9億円という大きな資産を築かれています。これだけの準備があれば、もう働かなくても生活は成り立ちますね。しかし、「仕事を辞める」という決断は資産額だけで簡単にできるものではありません。
今回は、40代で訪れる人生の分岐点について、考えてみたいと思います。
仕事を続けるか辞めるか迷う40代
たぱぞう様
ずっとブログを 読ませてもらってます。たぱぞうさんのおかげで、米国株投資を知ることができました。ありがとうございます。
気軽に質問してもよいという言葉に甘え、仕事や資産形成のことで思い切って相談しようとメールします。
私は中学生と小学生の母で、40代フルタイム共働き夫婦です。地方在住です。
現在の仕事に給与面の不満が大きく有るのではないですが、家事のことや、自分自身の人生の充実のために、退職を考えています。株式投資は10年程前から行ってきました。
家族の状況
- 持ち家(築古)、車所有
- 夫、本人 各年収600万円
- 子供 中学生1人(公立)、小学生1人(私立中希望)
資産
- 夫 投資信託(全米系)800万円、現金1000万円
- 本人 投資信託(ナスダック、S&P)9000万円、 金積み立て500万円、現金700万円、生命保険4000万円(払込済)
- 別途教育資金用現金 1000万円
- ジュニアニーサ2人 各1000万円
- ローンなし
若い頃は、新築に住まずに割とお金をかけない生活をしていました。また、今の仕事をずっと続けると思っていました。
ただ、40代になり、親も老齢になり、「自分の人生のこの期間は今しかない。悔いなく生きたい」という思いが強くなり、退職して趣味や家のことに時間とお金を 使いたい気持ちが日に日に大きくなっています。
親族からは、若い頃に現金があった方が良いだろうという理由で、10年前に少し資産継承し、それらや給与等から毎月NISAとiDeCoに全力入金してきて、運用益は6000万程です。
現在の支出は月約40万円で、これは夫一人分のひと月当たりの稼ぎに相当します。下の子が私立中学に入ると、夫一人の給与収入ではとても足りませんが、子供の希望もあり、中学受験は優先したいと思います。また、2人とも大学進学となれば親元を 離れることは必須です。
夫は給与が上昇する予定はないですが、退職する予定もありません。
私としては、ここ数年は、給与よりも大きなリターンが投資信託から得られているため、退職という選択肢が思い浮かんでいます。特別に費用の大きな教育を 選択するかどうかがポイントなのかなと思ってはいるのですが、たぱぞうさんのご意見も頂けたらと思います。
地方の料理好きママより
一般的なサラリーマンの生涯所得が2億という事実
世帯の資産で1.9億、さらにご本人の資産が厚いので十分FIRE可能です。ご自宅で無理をしていないのも大きいです。
一般的なサラリーマンの生涯所得が2億前後です。すでにその金額相当が真水で残っているわけです。それを考えると、配偶者さんの収入で生活費をやりくりし、自分は家事や子育てなどに注力していくというのは理にかなっています。
資産継承が大きく人生を好転させてくれています。ご親族の資力、ご自身の無駄遣いをしない常識的な金銭感覚が今を作ってくれましたね。その結果、未来という時間が買えます。
私は質問者さんと同じぐらいの年、40代前半でFIREしましたが、良いタイミングだったと思います。その後の人生は勤め人のころとはやはり違います。
全てが自己決定、自己裁量で進む世界です。もう6年早くても良かったと思いましたが、そこは資産額や仕事上の経験などとのトレードオフになりますね。
そういう意味では、ベストなタイミングではないでしょうか。仕事を継続するか、退職するかは大きな決断力を要します。
迷って継続した人、退職した人、それぞれ目にしてきました。そんな中、確実に言えることがあります。迷って出す結論に間違いはない、ということです。
振り返ると、今の悩みも良い思い出となりますよ。やりたいことをやり切る人生を、共に実現しましょう。
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