たぱぞうの米国株投資

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つみたてNISAフェスティバル2019年の報告

つみたてNISAフェスティバル2019年のご報告

 つみたてNISAフェスティバル2019に参加してまいりましたので、ここでご報告をしますね。すべてを文字化するのは難しいので、たぱぞうなりに感じたところを中心にまとめていきます。

人生100年時代における資産形成

 冒頭は岡本和久氏によるお話でした。人生を通じての投資を継続していくこと、山あり谷ありあるけれども、退場せずに続けていくことが大事ということでしたね。以下、お話のまとめになります。

岡本和久氏によるお話。

 ややもすると、今の自分に凝り固まり、人のことや将来のことを考えられなくなってきます。そうではなく、時間軸と空間軸を広げていくことで世の中はもっと良くなるのではないでしょうか。自分と今という枠を乗り越えて、世の中と未来に意識を向けてほしいですね。

 

 人生の目的は、お金持ちになることではありません。出世でもないですね。「しあわせ持ち」になることを目指したいところです。それが私たちに共通する目標と言って良いでしょう。では、しあわせとは何でしょうか。それは、以下のような分類がされます。

  • 金融資産
  • 健康
  • 家族
  • 交友関係
  • 楽しみ、趣味
  • 社会貢献

 バランス良く、大きく広げていくのがしあわせ持ちということです。これからの人生100年時代は3つの時代に分けられます。

  • 学びの時代
  • 働きの時代
  • 遊びの時代

 働きの時代に金融資産を形成し、遊びの時代に入っていくわけです。働くということは、お金を得るだけでなく、社会貢献をしていくという意味があります。そしてその後の遊びの時代に「生き様」を形成していきます。そのためにも、働きの時代に遊びの時代のための資産形成をスタートさせます。

 

 現在の収入は現在と将来の生活費であることを認識したほうが良いということです。

 

 働きの時代の収入は、就業中の生活費と退職後の資金に分けられます。資産運用の目的は、物価上昇に伴う購買力の低下を防ぐために行います。貯金だけではインフレ負けする可能性があります。

 

 資産運用をすれば、年金と若干の収入で老後の生活を作ることができます。そこではまず、株式を含めていかないといけません。世界経済の実質成長を取り込むことができるのは株式だからです。

 

 全世界の株式インデックスファンドをできるだけ若いうちから、毎月定期的に一定額を積立投資していきます。そして、リタイアするまで絶対にやめないようにします。生活を支えてくれる企業に感謝を込めて、国・地域・産業・企業・サイズ・スタイルを出来る限り分散をさせていきます。

 

 グローバルの株式インデックスファンドを積み立てていく。

  • 効率的市場仮説。ファーマ
  • 敗者のゲーム。エリス
  • アクティブ投資の算術論。シャープ

  こういった投資の考え方の変遷と発展がありました。総体としてのアクティブ運用のリターンは市場ポートフォリオからコストを引いたものに等しいと言って良いでしょう。

 

 グローバルな投資先の例としてVTがあります。全世界40数か国、8000銘柄。一気に分散投資ができるETFですね。

 

 グローバルなインデックスファンドというのは、下記の3つが不要です。

  • 相場観
  • 銘柄選択能力
  • 経済予想 

 しかし、続けることで資産が増えていきます。いわば、歯磨きのようで、難しくもないし、特別楽しくエキサイティングでもない。でも、続けないと効果が出ません。そして、継続した資産運用の出口として、取り崩しがあります。

  • 前期末資産時価残高÷余命年数=今年の引き出し額

 人生の楽しみは、日常のちょっとしたところに宿ります。それを感じて生きていくことが大事ですね。お金の呪縛から逃れることが大事ということです。 

遠藤金融庁長官に聞いてみよう

 遠藤金融庁長官にカンチュンド氏がインタビューする形で始まりました。以下はやりとりのまとめになります。

投資信託と金融機関について 

 まず、お金に働いてもらうシステムを作らないといけません。しかし、私(遠藤金融庁長官)は公務員です。公務員世界では積極的に投資をするのは控えるような雰囲気があります。

 

 新卒のころ、中期国債ファンドがそれなりに良かった時代には積み立てに取り組んでいました。これはコツコツと積み立てることができましたね。人生において一番成功した投資と言って良いでしょう(笑)

 

 つみたて投資は時間軸が難しいですね。株や投資信託を買うと、ついつい市場を見てしまいますよね。そうすると、下がっていると売りたくなるわけです。2018年末は多くの人が焦ったのではないでしょうか。しかし、そういった調整や暴落を我慢して、長期的には戻ると信じて続けたいですね。

 

 金融業界には「顧客本位の業務運営」ということを、力を入れて呼びかけています。しかし、これはなかなか難しいです。金融機関の皆さんは当然やっていると思っています。しかし、同時に収益目標があって、クリアしていくのも企業として大事なことです。持続可能なビジネスモデルは大事です。

 

 とはいえ、バランスが大事で、収益が上がることイコール手数料の高い商品をすすめるという事になりがちです。いい商品と、収益の高い商品、金融機関の現場はその狭間にあるのではないでしょうか。そこを解き放って、お客様に利するスタンスにならないと永続的な企業にならないと思っています。

 

 投資信託の販売において問題だったのは、トレンドを追いすぎたことです。日本の投資家のニーズという面もあります。しかし、それを1つの理由としてトレンドに沿った商品をオススメするという販売手法になりがちだったんですね。

 

 そうすると、回転売買、新しい商品を売り続けることになります。金融機関が目先の利益を求めるという面だけでなく、消費者のニーズ自体が新しい商品を求めすぎるという傾向にあるのは否定できないところです。

 

 これからは高齢化社会に対応した、長期投資に資する商品に投資する流れが必要です。そういった反省もあって、つみたてNISAの商品ラインナップが決まっているわけです。

保険商品にメスが入る日は近い

 保険商品の手数料の不透明さは課題です。

 例えば、外貨建て保険商品は大きなマージンがあります。これは今後、手数料も含めて開示をすべきですね。

 

 そういうと、保険は保障内容が入っているので、一概に比べられない、手数料を出せないというロジックが出てきます。それならば、分ければよいのです。プラスアルファの保険部分と資産運用部分を分けて手数料開示をすれば良いですね。その上でお客様に選んでいただくというのが大事になってきます。

 

 欧米のように、資産運用においてイージーに比較できる仕組みづくりが必要です。それをいま、金融庁では議論をしています。

 投資が当たり前になるような土壌づくり。投資家が増える。

 投資のカルチャーを構築するのは大事だが、時間がかかります。私が30数年前に就職したときに、まずしたのが銀行口座を作るということでした。そして、定期預金で資産運用をするというのがスタンダードでした。

 

 しかし、今はそうはならないですね。利回りが低いからです。かつては銀行へ行けば貯金から資産運用まで、すべて完結しました。今は、そうでなくなっています。だから、資産運用できる口座、例えば証券会社で口座を作るというのが大事になります。

 

 しかし、親世代が経験していないので難しいですね。投資の土壌がないのです。理解をしにくい、理解を得にくいということになります。親が貯蓄しかしていないと、投資が怖いものに感じられるケースがあります。逆に言うと、親が投資をしていれば十分金融教育になる可能性があります。

つみたてNISAフェスティバル2019の報告

つみたてNISAフェスティバル2019の報告

 そういう意味でも資産運用の大事さを話して、広げていく必要は感じます。

 

 給与口座は銀行でないといけないということはありません。銀行や証券というのは今の法律に即した形です。つまり、これから決済や送金が多様化すると、縦割りも変わってくる可能性があります。しかし、利用者の保護を考えると最低限の規制は作らなくてはいけないですけどね。

 

 業態別から機能別、サービス別の規制という変動はありえますね。

お金とやりがい、生き方そのもの 

 お金とやりがい。お金をどう考えていくかというのは勉強していかないといけないですね。顧客本位の金融サービスというのは、時に二律背反します。二宮尊徳や渋沢栄一は、論語と算盤、道徳なき経済は犯罪ということを言っています。また、経済なき道徳も戯言になるわけです。

 

 食べていくというのは大事です。しかし、それだけだとお客様に迷惑をかける。両立を目指していくというのが行政でも企業活動でもそうなるわけです。

つみたてNISAの今後の方向性。

 つみたてNISAの恒久化は大きなテーマです。今のNISA制度をより良くしたいですね。例えば、スイッチングもそうでしょう。

 

 財務省主税局は大変です。あらゆる部署からこういった税制優遇策が出てきます。何処かでプライオリティを付けなくてはいけないのは事実です。それで毎年の予算を作っていますからね。

 

 しかし、つみたてNISAの税制優遇は長期的であり、国民的な課題と言って良いでしょう。だから、実績を作って主税局を説得していかないといけないと考えます。国民に必要な制度であり、必要な税制優遇であるということを実績をもって説明をしていきます。

 

 イギリスのNISA制度は恒久化されています。例えば、寿命いっぱい枠を使うと1.44億使えることになります。日本のつみたてNISAは800万円です。全く違うことになっています。今からの時代は社会保障費を税金から持ってくるのはむずかしいでしょう。

 

 だからこそ、そういう意味でも国民が自助で賄える制度を整備していくのは意味があります。説得力を持つためにも、多くの人が使っているという実績が何より大事だと考えます。

つみたてNISAフェスティバルを終えて

 13時から17時の長丁場でしたが、最後まで飽きずに話を聞くことができました。他にもコンテンツはありましたが、4000字を超えてしまうのでここまでにします。

 

 私も登壇させていただきましたが、非常に登壇者としても参会者としても考えることが多く、刺激的でした。

 

関連記事です。

  とにかく続けていくことですね。これからの10年に楽観はしていませんが、コツコツ続けたいと思います。

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  インデックス投資の優位性についてです。

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  つみたてNISAについて簡単にまとめてあります。

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