たぱぞうの米国株投資

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つみたてNISAに対する運用会社の対応と裏話

つみたてNISAに対する投信各社の対応と提案

 つみたてNISAに関する金融庁の会合に出席してきました。今回で3回目になります。今回は運用会社各社の方のお話をうかがうことができました。

 

 1ブロガーがこのようなプロ中のプロのお話を金融庁というオフィシャルな場所で直接耳にすることができる。こういう時代になったのだなぁと感慨深かったです。

 

 ひふみ投信の藤野英人社長、セゾン投信の中野晴啓社長を始め各社運用に関わる重鎮の方が来られていました。

 

野村アセットマネジメント

 分かりやすく中心的なアセットクラスを提案していきたい。具体的には株・債券・リートを組み込んだ、インデックスのバランスファンドということになる。ETFの発展は無視できないものがあるので、それを積極的に組み込むことを視野に入れている。

 

大和投資信託

 ifree8資産バランスの評判が良い。業界最安クラスの信託報酬がうけている。つみたてNISAの基準に沿った、的確なものを入れていきたい。株式の割合を30・50・70%入れた商品を出しているので、それを組み込むことで選択肢を増やしたい。

 

レオスキャピタルワークス(ひふみ投信)

 たとえば5年単位で見て、資産が増えているファンドが殆どないという業界の実態がある。ひふみ投信の利用者は75%が積立で利用をしており、利用者平均年齢は40歳と若い。長く愛される、長期投資にふさわしいファンドをこれからも継続する。

 

セゾン投信

 頑張って生活している人たちの人生設計に寄与するファンドでありたい。プロとして出せる、今売り出している2つのファンドをしっかりやっていく。つみたてNISAの理念はセゾン投信の長期投資の考えと同じ。社運をかけて取り組んでいく。

 

ニッセイアセットマネジメント

 つみたてNISAの基準に適合するファンドはアクティブ1本、パッシブで7本ある。ニッセイ外国株式のような、低コストでパッシブ型の商品を推していきたい。特にバランスファンドは今まで出していないので、満を持して新商品を開発する方向だ。

 

ブラックロック

 ETFの広がりは10年前からは想像もつかない。ETFは投資の幅を広げるテクノロジーだ。運用するETFは全世界で20か国、800本以上、600兆円に上る。広く支持される、該当するETFは積極的につみたてNISAへ入れていく。

 

三菱UFJ国際投信

 シンプルに3階建ての提案をする。1つは低コストの8資産バランス。2つめはリスクとリターンのバランスに配慮した資産配分のポートスター(ロボアド)のようなもの。3つ目は年齢や所得を加味したリスクの幅に配慮した商品。これらを出す。

なぜ日本株式インデックスが儲からないのか

 インデックス投資は、市場全体が上昇しているところに投資をするのが基本になります。それでは、なぜ日本株式インデックスが儲からないのかという話がありました。これは言うまでもなくTOPIXや日経平均が上がらないからということになります。

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 じゃあ、なぜ上がらないのかということです。これに関してはとある運用会社の方から明確な答えがありました。重要な内容ですので書きます。

 

 「日本株はインデックス投資に不適当。理由は、上場している会社の三分の一が腐った会社だからだ。退場させるシステムができていない。こういう腐った会社を退場させないと、パフォーマンスが上がらない。

 

 こういうネガティブリターンの会社がないのがアクティブ投資の強みである。日本株投資に関しては、インデックスよりアクティブのほうが良い」

 

 ということです。歯切れがよくて、特に前段はまさにその通りだと個人的には思いました。東芝を見てもそうですが、株主の権利よりも会社の権利を守ろうとするあまり、投資をするに難しい環境になっている面は確かにあります。

 

 米国株もエンロンやワールドコムの例がありますから、ノーリスクではありません。しかし、退場の仕組み・ルールはあきらかに日本市場よりも厳密です。だから指数があれだけ向上するとも言えます。

 

 成熟した市場環境になるには、まだまだ日本は時間がかかるということでしょう。

なぜ海外投資というとMSCIコクサイばかりなのか

 MSCIコクサイのパフォーマンスは悪くはありませんが、ほかに優れたパフォーマンスを出している指数はたくさんあります。S&P500(IVV・VOO・SPY)がそうですし、MSCIトータルマーケット(VTI)がそうです。

 

 なぜこれらの指数に連動した商品が無いのかを聞いてみました。それはズバリ、運用コストだということです。小口で参入するとコストがかかるため、ニーズがもっと上がってこないと商品化できないということでした。

 

 また、米国株というとダウ30種という考えがあったため、ダウ30種に連動した商品をリリースをしたということです。実はほかの指数のほうがパフォーマンスが良く、投資の説得力があったというのは、表現を借りると「見込み違いだった」ということでした。かなり腹を割って本音をお話してくださったと思います。

 

 関連記事です。

金融庁の主張は運用会社の商品開発にかなりの影響を及ぼしていることが分かりました。

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 金融庁が具体的に指数まで踏み込んで限定した意味は重いです。適格な投信が数千本中わずかしかないというのはやはり問題で、ようやくダメな投信が淘汰される時代になりました。

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  つみたてNISAに関わる金融庁の説明会は、米国株の優位性を確認することにもなりました。これに関してはいつかまた別記事で言及したいと思います。

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