「資産形成の加速」と「インフレヘッジ」を目的とした自宅不動産購入
住宅ローンはサラリーマンにとって大きな意味を持ちます。
一般的に借り入れは大変難しいのが普通ですが、住宅ローンは比較的容易に借りられるからです。
買う物件を間違えなければ、家賃が浮くだけでなく、住んで経年劣化したにも関わらず値上がりして売却することも可能です。つまり、レバレッジを利かせた投資になるのです。
基本的に建物は価値が経年で下がります。木造、鉄骨、鉄筋コンクリート、それぞれ価値の下がり方は違いますが、建築費が高く頑丈な鉄筋コンクリートのほうが価値は維持されやすいです。
建物に対して土地は価値が変動しにくく、立地が良ければ上昇することが珍しくありません。土地の上昇幅が大きい物件は住まいを目的としたにも関わらず、資産運用をしていたことになった、そのような出口となります。
駅から近い、学校が近い、滅多に出ない土地、再開発重点地区、いろいろありますが上昇する要素やテーマが重複する物件は手堅いと言えるでしょう。
ただし、購入時点ですでに土地値が安いものは基本はダメです。高いものはより高く、低いものはより低く、後者は土地から土に還ろうとしているのです。今後もこの流れは変わることなく、二極化するなかで面から線、線から点とよりはっきりしていくのでしょう。
さて、今回は「資産形成の加速」と「インフレヘッジ」を目的とした自宅不動産購入ということでのご相談です。
資産価値のある自宅を購入することで資産形成を図りたい
はじめまして。佐藤と申します。
いつも有益な記事をありがとうございます。たぱぞうさんの記事を励みに子どもが成人する9年後のFIREを目標に投資を行ってきました。
今般「資産形成の加速」と「インフレヘッジ」を目的とした自宅不動産購入について問い合わせさせていただきましたので何卒よろしくお願い致します。
具体的には川崎市郊外(小田急線 ※新宿まで15分程度の駅)で資産価値がある程度保てそうな6000万程度の築浅中古マンション(駅徒歩5分、ブランドマンション)をフルローンで購入することが上記2点の目的に対して有効か否かをアドバイスいただければと存じます。
※資産価値を加味した場合、都心で購入することがベストであることは重々承知ですが、子どもに転校させないためベターな選択として郊外の中でも資産価値が保てそうなマンションを対象としております
相談の前提となる属性は以下の通りです。
- 家族構成:夫43歳大企業正社員、妻47歳パート、子ども(小学4年生)
- 世帯年収:1200万(夫:1050万、妻:150万)
- 金融資産:8000万(世界株式インデックス投信:7000万、DCとideco:1000万)
※別途子ども口座にて1000万程度確保済(教育費等で使う予定はありません) - 投資状況:13.5万/月積立中(積立NISA:10万、ideco:3.5万)
※9年後 12000万を目標
現状は賃貸マンションに住んでおり家賃13万ですが、購入した場合はローン(変動金利1%)、修繕積立費、管理費及び固定資産税の合計で23万程度となり賃貸の場合と比較して10万/月のCF悪化となります。
ただし、9年後に購入時と同程度の価格で売却ができれば、現状と比較して9年間で要する費用は若干のマイナスに留まる見込みであり、さらにインフレにより値上がりした場合は、大きく売却益を得ることができるため購入する方向で検討しているのですが考え方として問題ないでしょうか。
当然下落する可能性も考慮する必要はありますが、急行停車駅徒歩5分のため大きくは下落しないと想定しています。
よろしくお願い致します。
自宅不動産購入の目線は妥当性が高いように見えます
おっしゃる場所は利便性が高く、良い場所ですね。この20年で価値が変容した街の1つと言って良いでしょう。川崎はそのような土地が少なくありません。東京は隣地で近いですが、その割に適度な値ごろ感が好まれるのでしょう。とはいえ、だいぶ値ごろ感は薄れました。街も変わりましたね。
出口は駅前であれば取れるでしょう。しかし、当たり前ですが売値はその時のマーケットの状況によります。仰るようなより資産性の高い都心とはまた違う景色となります。唯一無二性は薄いです。つまり、不確実性があります。
とはいえ、世界的な金融緩和、インフレの流れは概論としては続くと考えられ、昨今の建材費の高騰もあいまって、資産性は小さくないです。
確実性を高めるならば、元金均等で借りることをお勧めします。同じ値段ないしは少し割り引いたとしても、10年近く住めば元金均等ならば利益を出すことができる可能性が高いです。
元金均等は繰り上げ返済の面があるため、嫌う人もいますね。しかし、万一大暴落やリストラで売らなくてはならないときに、残債が売値より大きいという状況を避けるためには有効な手段となります。
法人での購入と違い、利息が損金になるわけでもありません。考え方次第ですが、金利はもちろん、団信、元利均等と元金均等、長プラ・短プラ・TIBOR連動、融資条件の基本を押さえて確実性を高めると良いですね。
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