たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

ほったらかし投資術でだれもが安全確実に運用できる

 ほったらかし投資術という投資初心者でもまねできる投資術

 山崎元氏と水瀬ケンイチ氏による著書「全面改訂ほったらかし投資術」を紹介します。山崎氏は前々から初心者でもできるインデックス投資で有名な方です。水瀬氏はインデックスブロガーとして、その卓越した知識で有名です。私たち個人投資家の目線で様々な提言もされています。

全面改訂 ほったらかし投資術 (朝日新書)

全面改訂 ほったらかし投資術 (朝日新書)

 

  弊ブログで紹介する本は、このごろこういう本が多いですね。

  1. 初心者でも分かりやすい
  2. 誰でもマネできる
  3. 具体的な投資行動が示されている

 

 本を読んで投資知識を身に付けたい人というのは、実はこういう読みやすい新書から入るのがベストではないか、と思っています。私もそうでした。理由は安いからです。そして新書本は専門的にすぎず、読みやすいからです。それは他分野でも言えますね。

 

 投資経験を積み、投資歴が長くなった今でも投資に関する新書を読み続けています。言ってみれば雑誌のようで、構えることなく読めるのが魅力です。そして、良書から学ぶことはこれからも尽きることが無いでしょう。

 

本書の言う通り、ほったらかして投資はできるのか

 

 結論から言うと「できる」、ということになります。むしろ、毎日株価をチェックして、チャート分析をして、頻繁に売買するというのはプロ級の腕が必要です。投資というのは対象と時機さえ間違えなければ、むしろほったらかしておいたほうが得られる収穫が大きいです。

 

 株式は果樹に似ています。果樹の苗は冬に植えても育ちません。また、合わない土壌に植えても育ちません。適した時期、土壌に植えます。そして肥料を与え、雑草や害虫に対処し、収穫します。強い果樹であれば、毎日毎日成長を見守ったり、手入れをしなくても、その後は勝手に育つのです。そして果実が手に入ります。

 

 ETFが果樹だとするならば、時機が季節、土壌が市場ということになります。痩せた市場でETFという果樹を植えても育たないのです。豊かな土壌を選んで、適した時期に植えるのが投資です。追加投資はさしずめ追肥というところでしょうか。配当は果樹です。種を取って、また植えれば複利ということになります。

 

 山崎元氏と水瀬ケンイチ氏は為替リスクを念頭に置いて、日本株や日本債券のインデックスもおススメされています。日本市場への投資で40%にもなります。しかし、特に水瀬氏は実は外国株のほうが投資比重が高いことに注意が必要です。水瀬ケンイチ氏のブログによると、およそ6対1でETFを通した外国株投資です。

 

 水瀬ケンイチ氏はインデックスブロガーとして著名です。インデックスというのは基本が成長国投資になります。なぜならば、ドルコスト平均法にしろ、一括投資にしろ前提が右肩上がりになるからです。

 

 1989年以後の日本市場への投資はタイミング投資に適した投資で、長期投資には適していないと私は思います。それを右肩上がりにし、誰もが投資できる環境にしようとしているのが日銀による露骨なETF買い入れでの買い支えです。

 

 両氏は海外ETFを上級者向けとしていますが、僭越ながら逆だと私は思います。海外ETFのほうが上昇が約束されている分、簡単です。円換算で考えるのではなく、ドル建てで考えて投資をしていけば為替に悩まされることはありません。為替は政治的です。つまり恣意的とも言えますから読めません。

 

 ただ、今は米国株高ですから適した時期かというと微妙です。実際私も2年前からあまり買えていません。すでに米国株は8年に及ぶ上昇相場です。

 

 完全に及び腰なのでチャイナショックやブレグジットショックで少し買い増しただけです。

 

投資歴のない人にも自信をもっておススメできる長期投資の入門書

 

 読みやすいです。投資歴が無くても読めます。そして、株本にありがちな誰もまねできないデイトレードなどとは真逆な、だれでもできる投資法が紹介されています。貯蓄から投資へということが盛んに言われていますが、投資とはこういうことであるというのが本書1冊で理解できます。

 

 高い時に買い、安い時に売るということを投資家はしがちです。高い時には儲けのバスに乗り遅れるなとばかり飛び乗りがちです。安い時には恐怖に駆られて売ってしまいがちです。これだと資産は増やせません。投資行動とはその逆で実を結ぶからです。

 

 本書は、私も含むすべての投資家が陥りがちなその心理をたしなめてくれる良書だと私は思います。長期投資のイロハが本書に詰まっています。

 

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