- ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)は世界最大のヘルスケア企業
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のチャートと配当
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の基本データ
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の配当性向
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のBPSとEPS
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の売り上げと利益
- ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のキャッシュフロー
ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)は世界最大のヘルスケア企業
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)はアメリカ・ニュージャージー州に本社を構える製薬、医療機器、ヘルスケア全般を扱う多国籍企業です。
1886年創業の名門企業で、古くは滅菌という概念を世界で初めて採用したことで知られます。バンドエイドやコンタクトレンズ、ベビーローションなど有名商品が多数あります。
ヘルスケア全般、多くのジャンルにおいて強みを持っているのが特徴的です。例えば医療機器の売り上げランキングでは1位になっています。私たち一般人にはあまりなじみのない分野ですが、圧倒的な強みを持っていることが分かります。
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製薬業界での売上ランキングでも上位に位置します。
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医薬業界はジェネリックとの競合や、高齢化に伴う医療費高騰→政治的調整のあおりが予想される業界です。研究開発費の回収が年々厳しくなっています。
しかし、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)は製薬も含めた総合ヘルスケアとしての強みを持っているため、個別セクターのリスクは低減されています。そのため、米国株投資家に人気が高いです。私の主力銘柄の1つでもあります。
日本においてもドラッグストアやスーパーで、そして医療現場で多くの製品を目にすることができます。世界60か国で事業展開しています。そして業績は毎年伸び続けています。為替の影響はありますが、業績の安定感はずば抜けています。
連続増配は増配55年です。配当歴を見てみるとそのすごさがわかります。
美しい右肩上がりです。配当は株価よりも読みやすいです。連続増配企業は業績自体も安定していることが多く、その限りにおいて安定したインカムが得られるからです。それに対して株価はどうしても市況の影響を受けます。
「なんだか知らないけど、みんな持っているから買ってみよう」
「増配55年?すごい!有名な会社だから買ってみよう」
というミーハーな買い方が上手くいってしまう、今まではそんな銘柄でした。米国株の良いところは誰もが知っている有名企業を適当に買ってもうまくいくことが多い、そんなところにあります。
今後世界的には人口が増え、先進国を中心に高齢化を迎えます。政治による医療費削減というマイナス要素はありつつも、ジョンソン・エンド・ジョンソンはこれからも安定的ではないでしょうか。
なお、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、2017年1月にスイス医薬品アクテリオン買収で合意をしました。アクテリオンとは、スイス・バーゼルに本社を置く、バイオ製薬の会社です。
アクテリオンは循環器系に強く、希少病種への対応薬も出しています。高い専門性を持つ企業と言って良いでしょう。スイス証券取引所、SMI指数採用銘柄です。時価総額は170億ドル、2兆円近くにもなります。
製薬業界は新薬開発を自社で行うだけでなく、有望な薬や特定分野でシェアをもつ企業を丸ごと買収することで、メガファーマはますます大きくなるという構図を持っています。 こうした買収合戦は今後も続くことでしょう。
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のチャートと配当
※Google finance
2006年11月 株価67ドル 配当0.375ドル
2016年5月 株価113ドル 配当0.8ドル
2017年7月 株価133ドル 配当0.84ドル
2017年7月には133ドルまで上げてきました。2012年から急激に株価が伸びていますが、そのトレンドは維持されています。
相変わらずの50年を超える連続増配は続いていますので、昔から持っている投資家にとっては値上がり益も増配益もある、二度おいしい素晴らしい株ということになります。
ヘルスケアは大きな市場変動もなく、不況にも強い、ディフェンシブな分野です。このジョンソン・エンド・ジョンソンはその中でも最優秀の株と言って良いでしょう。初心者向けの株とはこういう株のことだと思います。
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の基本データ
ティッカー:JNJ
本社:アメリカ
来季予想PER:22.25
PBR:5.2
ROE:23%
ROA: 12
EPS:6.1
配当:年間3.35ドル。3,6,9,12月に配当。
上場:ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場
私が最初に買った高配当株の1つなので思い入れがあります。そして期待を裏切らない実績を積み重ねてきています。
アメリカ株の王道を行くと言って良いジョンソン・エンド・ジョンソンは、これからも私たち米国株投資家のポートフォリオの中心であり続けるのではないでしょうか。
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の配当性向
配当性向はこの10年で40%から60%と安定的です。直近10年でも安定増配を重ねており、その伸び率も鈍化していません。この10年での配当は倍になっていますが、好調な売り上げと利益が配当性向の上昇を抑えています。
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のBPSとEPS
一株当たりの資本と利益です。BPSはこの10年で15ドルからおよそ27ドルまで成長しています。これに対し、一株利益は3.6ドルから5.9ドルまで成長しています。一株当たりの価値を高める、このシンプルな株価上昇の要素を着実に実行しています。
自社株買いも積極的で、10年前の水準を100%とすると、現在95%まで圧縮しています。この間の売り上げと利益は伸びていますから、このような一株当たりのBPSとEPSの上昇となっています。
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の売り上げと利益
売り上げ、営業利益、純利益とすべての数字がゆるやかな右肩上がりを描いています。また、10年前に20%ほどであった営業利益率は30%近くまで上昇しています。成熟企業で、これだけすべての数字が安定している企業はあまりありません。
製薬同業他社と比べても、非常に安定的と言ってよいでしょう。ちなみに売り上げのおよそ5割を北米で上げています。多国籍企業ですが、アメリカ本国に強みのある企業ということになります。
意外なことに世界の人口稠密地帯であるアジアの売り上げは20%に満たず、今後の市場開拓が期待されるところです。
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のキャッシュフロー
ヘルスケア業界は研究開発費がかかりますので投資キャッシュフローがかなり発生します。ジョンソンエンドジョンソンも例外ではありません。しかしながら、高い営業キャッシュフローが継続しており、十分カバーできています。この10年のフリーキャッシュフローも安定的です。
私はこのジョンソンエンドジョンソンとフィリップモリスを個別銘柄では例外的に重点投資(4万ドルずつ)していますが、いまのところ功を奏しています。それぞれ、配当込で6万ドルに届こうかという時価になっています。
ちなみに、ジョンソンエンドジョンソンのIRサイトに「もし○○年に○株投資をしていたら」というシミュレーターがあります。
Investment Calculator - Johnson & Johnson | Johnson & Johnson
株主還元に力を入れていなければ、こういうサイトは設置できないですね。それだけプライドを持っているということでしょう。
米国株投資というのは、このような財務的に安定した企業を買うことで報われます。きちんと株主に配当や自社株買いで報いる、そういう企業が米国株にはたくさんあります。
その代表格の1つがジョンソンエンドジョンソンです。
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フィリップモリスも株主還元には積極的です。
製薬会社のメルクです。いわゆるMSDですね。
グラクソは昨年大きく売り上げを伸ばしました。しかし、ジョンソンエンドジョンソンに比べると、キャッシュフローなどはもっとガチャガチャとしていますね。安定高配当銘柄です。