たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

iシェアーズ・コア MSCI エマージング・マーケット ETF【IEMG】とは

IEMGはブラックロックの新興国投資ETF

 IEMGはブラックロックの新興国投資ETFです。その内容は中国・インド・ロシアなどの大国や韓国・台湾・メキシコ・タイといった中進国株を含んだものになっています。

 国名   %
中国 28.38
韓国 14.98
台湾 11.81
インド 9.39
ブラジル 6.81
南アフリカ 6.43
ロシア連邦 3.12
メキシコ 2.77
タイ 2.49
マレーシア 2.39

 この中で中国の存在は出色と言ってよいでしょう。実に全体の3割を占めます。台頭著しい韓国などもランクインしています。新興国のベンチマークは時価総額の比較的大きい韓国を含むかどうかでかなりパフォーマンスが変わります。

 

 また、直接買い付けが国の制約によってできないインドが10%を占めるのが目を引きます。私たちがインド株を買おうとすると、米国市場のADRを通してというのが一般的です。インドETFという手もありますが、信託報酬は高めですね。

 

 そういう意味では、比較的低コストでインド株10%を含むIEMGは、インド株が好きな方にはなかなか魅力的ではあります。

 

 比較対象はバンガードのVWOということになりますが、VWOは韓国を含みませんね。韓国を含むならば、同じブラックロックのEEMと比べてもよさそうですね。信託報酬はこのIEMGのほうが優れます。0.14%ですから、良心的と言えます。

iシェアーズ・コア MSCI エマージング・マーケット ETF【IEMG】の組み入れ銘柄

企業名 % セクター
TENCENT HOLDINGS LTD 4.82 情報技術
SAMSUNG ELECTRONICS LTD 3.39 情報技術
ALIBABA GROUP HOLDING ADR 3.36 情報技術
TAIWAN SEMICONDUCTOR 3.03 情報技術
NASPERS LIMITED N LTD 1.95 一般消費財
CHINA CONSTRUCTION BANK CORP H 1.28 金融
BAIDU ADR REPTG INC CLASS A 1.05 情報技術
CHINA MOBILE LTD 0.95 電気通信
INDUSTRIAL AND COMMERCIAL BANK 0.95 金融
PING AN INSURANCE (GROUP)  0.86 金融

 テンセント、サムスン、アリババ、がトップ3です。ナスパーズは南アフリカの情報通信系企業で、新興国投資をするETFには良く組み込まれています。

 

 中国建設銀行、バイドゥ、チャイナモバイル、平安保険グループと中国企業が軒並み名を連ねています。 

 iシェアーズ・コア MSCI エマージング・マーケット ETF【IEMG】のパフォ―マンス

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  およそ5年で25%前後のリターンになっていますね。これは分配金込のリターンです。単純に10年で1.5倍ですから、悪くはないです。ただ、同時期の米国株ETFはもっとパフォーマンスが良いですから、微妙と言えば微妙かもしれませんね。

 

 下記に挙げるグラフとパフォーマンスで違いがあるのは、分配金リターン込みのグラフだからです。

【IEMG】と【VWO】と【EEM】の比較

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【IEMG】=水色15.61%

【VWO】=黄緑7.82%

【EEM】=紫色11.37%

 このような比較になります。IEMGが最も優秀なリターンを示しています。ちなみに、こちらのグラフは分配金を含みません。この5年の値動きではVWOが最も低いですね。EEMは運用総額は大きいですが、信託報酬が高いです。

 

 いずれの新興国ETFもチャイナショック時からのリターンは出色で、この時期のパフォーマンスはそれぞれ50%ほどになります。

 

 米国利上げの影響を受け、この頃では調整局面に入っています。定説どおりだと、米国利上げ時には新興国投資はパッとしないパフォーマンスになります。米国に資金が向かうからです。

 

 ただ、投資では定説からのアノマリーというのはつきものですから、今後に注目というところですね。結局は世界経済、相場環境が大きくものを言います。

 

関連記事です。

  VWOに関しての記事です。信託報酬に関してはVWOはさすがバンガードというところですね。チャイナショックの時は組み入れに中国が多かった影響で30ドル近くまで落ちていました。

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  新興国投信ならばこの3つということで記事にしました。信託報酬がそれぞれ安くなり、日本円での新興国投資もずいぶんとやりやすくなりました。特性を踏まえて行えば旨味が出そうですね。ボラティリティは高めです。

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  とはいえ、私は今のところ特に新興国ETFはポートフォリオに入れていません。考え方次第ですが、平時はやはり米国株投資で十分ではないかと思っています。ただ、新興国から資金流出が起きるときはだいたい極端に振れますから、その限りではありません。

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