たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

ETFの分配金の原資は株や債券の配当・利息から

ETFの分配金の原資は投資信託とは異なり、ルールがある

 毎月分配型投信というものがあります。信託報酬が高く、毎月分配によって利回りを高く見せている商品が殆どで、買う価値のないものです。これらがよく金融機関の窓口販売で販売されていました。

 

 理由は、金融機関側にとってみれば収益率が高く、リテール営業の柱になるからです。しかし、昨今ではこのことが広く知れ渡り、買う人は年々少なくなっています。

 

 これに対して、ETFはそのようなことがありません。これは、投資信託とETFの在り方を決めるルール、つまり法律の違いから来ています。

 

 そのため、ETFで毎月分配型のものがあっても問題はありません。実際に、米国債券系のETFは毎月分配型のものが多いですね。

 

 さて、こうしたことを踏まえてご質問を紹介します。

ETF分配金の原資はどこからきているのか

こんにちは。 

 

 偶然たぱぞうさんなどの米国株のブログを拝見する機会があり米国株投資に興味を持ちました。そのなかでもたぱぞうさんのブログは特に参考になる記事が多くいつも感心させられております。

 

 その影響で、銀行に眠っていた資金に加え、毎月一定額を積み立てて米国株投資を始めました。個別株を勉強する時間と経験がないので、ETFで運用を開始することに決め、皆さんの記事を参考に、VDC、VTI、VYMを合わせて50%、バンガード 米国長期債券 ETFのBLVとBNDを合わせて50%になるように時間分散させて買い進めています。

 

 もしリーマンショックのような暴落があれば、BLVとBNDを売って、VDC、VTI、VYMを買い増そうと考えています。

 

 今は上記のような理由でETFでの運用を決めたのですが、個別株にも興味があり、もし可能であれば個別株とETFに関してひとつ質問させていただきたいことがあります。

 

 ETFは個別株の集合体と認識しておりますが、ある一定の金額をETFで持つ場合と、ETFの構成銘柄をETF内での比率と同比率の個別株で持つ場合の配当に、信託報酬を引いたぶん以上の差はあるのでしょうか。

ETF分配金の原資は何か

ETF分配金の原資は何か

 ETF構成銘柄を構成比率で個別株を持つ場合も、信託報酬以上の差はないのではないかと思いつつも、はっきりとした答えが見つからず、もし個別株の方が信託報酬以上に有利であれば、早めに個別株の運用も開始したいと考えているため質問させていただきました。

 

 お時間のあるときにご教示いただけますと幸いです。 これからもたぱぞうさんのブログを楽しみにしております。

ETFと個別株の使い分けをどう考えるか

 結論から書きますと、今のETF中心の投資を続けられたほうがパフォーマンスは良いと予想します。個別株の使い方はズバリ言って1つです。

  • ETFで満たせないことを個別株で満たす

 ですから、たとえばETF以上の高配当利回りを求めたり、ETF以上のパフォーマンスを求めたりといったことです。こういった場合に個別株をポートフォリオに加えていきます。

 

 後者の場合は、個人で成長性を見極め、さらには将来性を見抜くという作業が必要になります。これができる人は株式投資においては相当な上級者と言ってよく、アクティブファンドが殆どパッシブに勝てないという事実から考えてもハードルは高いです。

 

 つまり、運用のプロでもパッシブになかなか勝てないという現実があります。

 

 ・・・ただ、個別株は楽しいですけどね。

ETFの分配金の原資は株や債券の配当・利息から

 これも結論から言いますと、ETFの分配金は、ETFが保有している株式や債券などの配当・利息が原資になります。一般の投資信託だと売買益や評価益も分配の原資になるケースがありますが、ETFではありません。

 

 ETFでは配当などの収益から経費を引いた金額を分配金として使うことが決められているからです。ただ、残った資金をETF内部において、繰り越すことはできます。この場合も多くの場合翌期には分配金として利用されます。

 

 そのため、個別株を買ったからといって配当金がより多く手残るということも、経費率以上にはありません。その経費率は前述の通り非常に低くなっています。その点も含めて、安心してETF投資を続けられたら良いと思いますよ。ご質問ありがとうございました。

 

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