たぱぞうの米国株投資

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BNDやBLVなどの債券ETFの使い方

債券ETFの使い方

 ある程度年を重ねて、なおかつ資産が膨らんでくると投資の思考が変化してきます。それは、いかに資産を減らさずに運用するかということです。資産が少ない時は、殖やすということに思考が向きがちです。

 

 それが、年を経ると殖やすことと同じぐらいに「減らさない」ということが重きを成してくるのです。

 

 比較的年齢が高い40代以降の個人投資家がディフェンシブ株投資をしていたり、債券比率を高めていたりするのはそういうことです。また、ある程度計算できる配当収入を求めるのもこの年代だということです。

 

 逆に言えば、20代30代のうちにいかに資産形成をして種銭をつくるか。そして、その後より安定的な収入にシフトするのかというのが株式投資の1つの持って行き方ということになります。

 

 目安は50代までに1億円程度の種銭を作り、インカムメインの投資をしていくような形ということになるでしょう。もっとも、センスのある人はキャピタルも安定して得られるはずですから、この限りではありません。

 

 要は、安定を求めるようになるということです。

 

 リーマンショック以後は株式投資が好調だったことや、米国長期金利が低かったこともあり、債券投資はあまり人気がありませんでした。

 

 しかし、ここにきて株式投資の右肩上がり一辺倒に変動がみられることから、改めて債券投資の役割が見直されてきているように思います。ただ、若干状況を難しくさせているのがFRBの利上げであり、債券価格の下落です。

 

 こうした状況を踏まえ、債券ETFの使い方ということでご質問を紹介したいと思います。

BNDやBLDを活用して守りのアーリーリタイアを実現する

 こんにちは。Oと申します。たぱぞう様のご意見を頂きたく連絡させてもらいました。いつもブログを参考にさせてもらっており、今回資産の最終着地地点を海外ETFにと考えています。


 46歳独身男です。4年後の50歳時に会社をアーリーリタイア予定です。現在、貯金・株・FX・投資信託で作った資産のほとんどを日本円にしてあります。

 

 年金開始までの15~20年間は持ち続けるであろうリスク資産を、HDVかVYMで50%、BNDかBLVで35%、VEAで15%これを4年間に分けて50歳までに投資してリタイアしたいです。


 生活レベルが低い為、年間支出額は異常に低いので当初は国内ETF等で年利1.0~1.3%くらいで何とかやっていけるかな、と考えていました。


 海外ETFという選択肢に出会い、少しでも楽をして余裕を持った生活をしたい為、高配当ETFを選択しました。海外個別株は考えておりません。そこで、今回、ご意見を頂きたい件ですが、

 

  1. そもそも上記ポートフォリオに債券と株のバランスなどの欠陥はないでしょうか?
  2. 分散目的で入れているVEAは必要か否か?
  3. BNDとBLVの債券をどうするか。チャートを見るとBNDの圧倒的安定感がよく分かります(ブログ記事も参考にしました)。BLVの配当に目がくらんで選択肢に入りました。
  4. 所得がゼロになる為、源泉徴収課税10%がかかってきます。それでも海外ETFにする利点はあるか?

 わたしは、流動性・規模・配当を考えると、海外ETFの方が断然上であると考えておりますが・・。

 現在、BNDが買いやすい値段になっている気がするので、もういっそBNDを全力一気買いで良いんじゃね?とか思考が怪しくなってきましたので、頼らせて頂きたいと思い連絡させて頂きました。

 

 最後に、投資は自己責任ということは勿論承知しております。よろしくお願い致します。

BNDやBLV、債券ETFの基礎的な特徴

 BNDもBLVも米国国債のETFです。違うのは、BLVが長期債券メインの構成になっているということです。BNDの場合はバンガード米国トータル債券市場ETFというだけあって、網羅的にバランスよく長短債券を組み合わせています。

 

 BLVが扱う長期債券は短期債券よりもリスクがある分、利回りも高いです。BLVの場合は4%近くの利回りがあります。ちなみに、債券投資額の平均回収期間をデュレーションと言います。長期債の場合は、この期間が長いので、変動率は大きくなります。

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債券投資を考える上で重要なデュレーションとは|東海東京証券株式会社

 直近の10年で言うならば、長期債は短期債よりもパフォーマンスが良かったのですが、やはり変動率が大きいことが確認されます。水色がBLV、赤色がBNDです。もし、利回りでは無く、安定を求めるならばBNDの比率が高いほうが安心でしょう。

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※seeking Alphaより

 債券に利回りを求めるのか、それとも安定を求めるのか、それによって投資先も変わるということですね。私ならばBNDを選好します。

VEAは必要性を感じない

 VEAは、北米を除く先進国株式のETFです。日本や英国、フランス、スイスなどの企業が多く含まれます。リーマンショック前の高値をいまだに超えておらず、日欧諸国の経済状況の厳しさ、成長性の低さを裏付けているかのようです。

 

 もし分散を図るならば、新興国ETFであるVWOを加えたほうが成長性が期待できます。VEAは特に必要性を感じませんがどうでしょうか。

外国税額控除の扱い

 確かに、外国税額控除は大きいですね。また、配当生活なのに配当控除を使えないのも大きいです。悩ましいところですが、海外ETFの成長性と安定感を考えると、海外ETFの積み立てというのはやはり妥当性があります。

 

 TOPIXのETFに成長性を感じたり、日本国債の利回りがもう少し高いと使い勝手が良くなりますが、今のところそういうことはありません。そういう意味ではひふみ投信など実績あるアクティブファンドが支持を受けるのも頷けるところです。

 

 日本株インデックスファンドの状況が厳しいことへの裏返しとも言えます。

 

 株式と債券の投資比率はご年齢を考えると自然なものだと思います。アーリーリタイヤ生活はすぐそこ、第二の人生も楽しみですね!

 

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  アセットクラスをどのように作るかということですね。

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  安定感に富む、米国トータル債券市場ETFの【BND】です。私は債券的なものとして太陽光を選びましたが、BNDも魅力だと思います。

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