たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

20代から始める投資、自分の幅を広げるということ

20代から始める米国株主体の投資術

 私が20代のころは海外投資が一般的ではありませんでした。そのころに流行していたのは国内デイトレードでした。株式取引と言えばデイトレ、うねり取りという潮流でした。

 

 その時に名を馳せたデイトレーダーで、今も一線でやっている方はほとんどいません。数名いまだにカリスマ的な方がいられますが、体力・知力・決断力などの才能、いずれも備えていないとデイトレードは継続できません。

 

 また、そのころデイトレードで成功した人の多くは長期投資や不動産投資などの分散投資を同時に行い、今は確実性を増した投資に切り替えています。このことは多くの示唆を与えてくれるように思います。

 

 カリスマデイトレーダーでさえも、確実な投資が何かを踏まえたうえで投資先を多様化しているということです。

 

 何がその人に適した投資なのか。それを言うのは難しいのですが、1つ確実に言えることがあります。それは、「20代はリスクを負える」ということです。若いので、やり直しがきくのです。そういう意味では、いろいろな分野に興味を持ち、自分に合った方法を考えることは意味があると私は思います。

 

 さて、20代の方からの2つのご質問を紹介します。

25歳で月8万円投資+600万円の金融資産【質問1】

今後の投資について


 初めまして、いつもたぱぞうさんのサイトを見させて頂いているHと申します。今回連絡をさし上げたのは、私の今後の投資計画について相談させて頂きたいと思ったからです。


 私は、現在20歳の大学生で、現在の資産は300万円ほど保有しています。内訳は、貴金属(アンティークコイン、インゴット等)が50万円程。金積立が20万円。CUREが10万円、TMFが5万円、東京電力が60万円、米ドルで150万円ほど保有しています。

 
 又、これとは別にマンションを1室所有しています。

 

 調整に入る直前までNvidiaに全力投資をしていましたが、偶然にも調整前に売ることが出来たため、今後の投資の計画を練り直すいい機会だと思い、たぱぞうさんに連絡を差し上げました。

 

 現在、私は大学が無料で学ばせてくれる特待生として大学に通っています。そのため、学費が掛からないのですが、私は敢えて奨学金を限度額いっぱいまで借りています。理由は、奨学金の利息が最大でも年利3%に対して、株式のリターンは悲観的に見積もっても6%前後であることだからです。


 また、奨学金は大学に在学する事を条件に返済を猶予してもらえる制度が存在する事を利用し、卒業後は放送大学へ進学し奨学金の返済を可能な限り繰り延べして資産を増やしていこうと考えています。


 そして、可能ならば勉強する期間を増やし、ついでに更なる資産の増加を行うために大学院への進学も考えています。

 

 大学卒業後には、おおよそ合計で600万円ほどの金融資産(大学院へ進学した場合には合計で800万円ほどと皮算用をしています。)を確保しつつ、悲観的に見積もって年収280万円程度の職につけると考えています。
 
 たぱぞうさんなら、25歳で一月あたりの投資可能額が8万円、600万円の金融資産とマンション1室だけを与えられた場合どのような投資を行われるでしょうか?
また、もしたぱぞうさんが今の私ならどういう投資(自己投資、金融投資を問わず)を行われるでしょうか?


 長文になりましたが、もしよろしければ返信して頂ければ幸いです。

24歳で年間50万を積み上げる投資【質問2】

たぱぞう様

いつも拝見させていただいております。

 

 私は去年NISA口座を開設しました。アーリーリタイアまでは言いませんが、定年後の年金代わりにアメリカ株投資を始めました


 しかしまだ24歳ということもあり、投資に回せる金額を全て回したとしても金額的には少ないです。年間に50万前後です。


 現在は個別株を(配当利回り3%以上)を4銘柄ほど購入しています。たぱぞう様の過去の記事で、VTIこそ自分年金として投資すべきと言う記事を拝見した際に、私もVTI一本に絞った方が良いのではないかと思いました。

 

 そこで私は、40歳近くなるまでは個別株の比率を多くし、多くの配当金をもらう。そして、それ以降のリタイアまでVTIの比率を増やしていこうかと考えています。

 

 このような考えで今後積み立ていきたいと思っているのですが、たぱぞう様なら20代中盤で、原資が少ない中投資を開始する場合どのようなポートフォリオを組むのでしょうか。ご教授頂ければ幸いです。

20代ならば投資の幅を持たせるのも良い

 区分マンションに関しては、純粋な資産としてならば売っても持っても良いと思います。たしかに不動産相場は高いと感じています。しかし、今後不動産の知見と経験を深めるということならば持っておくことは1つのきっかけになるでしょう。

 

 アンティークコインは特に欧米において投資対象として人気があります。実際にアンティークコインを薦める投資の先達もいます。ただし私たち日本人には少々ハードルが高く、売買する市場や情報面においてやや不利ですね。私ならばこれは処分します。ただ、古物商などに興味があれば、これも良いきっかけになります。

 

 個別株やレバレッジETFは、面白いと思います。自分の投資知識を深めるためにも、財務分析をしたり、パフォーマンスを比べたりして取り組むと良いでしょう。決算数字というのは読めるとさらに投資が面白くなります。

 

 さらに面白いのは、決算数字を読めても株価の行方をぴたりと当てることは難しいということです。多くの経済エリートが難しい数字を読み取り、経済動向を見極めようとしますが、常にピタリと当てるのは難しいのです。この不確実性こそが逆説的ではありますが、株式投資の最大の魅力と言ってよいでしょう。 

20代からの投資、自分の幅を広げるということ

20代からの投資、自分の幅を広げるということ

 また、チャート分析もしてみると良いですよ。私はチャート分析はあまり信用しませんが、参考程度に見ることはします。ちなみに、なぜか日本だとチャート分析=株式投資の勉強という風潮があります。

 

 私はチャート分析を少しかじった結果、「需給との併用で参考にはなるときはあるが、基本的にあんまりあてにならない」という結論になりました。昔はチャート分析の書籍はあふれていましたが、激減しましたね。そうだろうと思います。

 

 20代の私は、ひたすらに逆張り投資でした。相場のボラティリティが高い時代だったので、ナンピンに次ぐナンピンを繰り返し、ドカンと取り返す。そういうことをしていました。おすすめしませんね(笑)

 

 コロナショックなどは典型ですね。ちなみに、ただ単に業績が悪化した個別株というのは手を出しませんでした。連れ安に魅力を感じたということです。

 

 最後に。普通に投資をするならば、つみたてNISA+iDeCoをコアとした米国株積立です。VTIをコアにすれば十分です。ハイテク株が上がったらハイテクを買い、生活必需品が上がったら生活必需品を買う。ETFはこういう右往左往とは無縁です。

 

 ただ、自分の可能性を信じ、幅を広げるという意味ではいろいろな挑戦が可能な時期であるということです。それは私自身を振り返り、実感を持って申し添えておきたいところです。

 

 ざっくりとしたお答えですが、そういうことになります。リスクを取らないと、果実は得られないのも事実です。しかし、若いときのリスクというのは後から振り返ると小さなリスク、やり直しの効くリスクです。金額が小さいからです。

 

 ちなみに、私もまだまだ挑戦中です。新しい投資に柔軟でありたいと思っています。ともにがんばりましょうね。 

 

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  20代からの資産形成、ということで貯蓄について書いています。こちらはもう少し固い内容です。

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