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金融所得課税5%増で見る、民進党の不安になる経済センス

参院選を前に近年の政権をざっくり振り返る

  2016年7月10日の参院選を前に近年の政権を振り返り、個人投資家が支持すべき方向性を探ってみたいと思います。

第一次安倍内閣

 第一次安倍内閣が世間から支持を得られなかったのは、政策がズレていたからです。振り返ってみると、大きな失策が2つありました。

 

  1. 誰も関心の無い教育政策に軸足を置いた
  2. 郵政民営化反対議員の早急な復党

 

 1、は教育再生会議を中心とした政策です。そもそも一度も死んでいない教育を再生するとメスを入れ、私たち庶民からは見えにくい、そして必要のないことに時間を割き続けました。安倍首相の思いが先行したのでしょうが、庶民が熱望することとポイントがずれていました。

 

 2、小泉元総理の人気は高く、その改革のシンボルだった郵政民営化。それに反対した議員がすぐに復党したのは多くの国民ががっかりしました。

 

 福田氏、麻生氏はこの大きな流れを変えられませんでした。そして、これら政権は経済政策が弱かったところが支持を失う大きな原因でした。

民主党政権

 その失望を受ける形で民主党政権が始まりました。ここでもいくつか下手を踏んでいますので紹介します。

  1. 事業仕分け
  2. 国民新党の扱い
  3. 東アジア共同体構想
  4. 消費増税構想

 1の事業仕分けによる予算削減、精選の発想は良かったものの、追求するための知識と経験が無さすぎました。各省庁との丁々発止は官僚を硬化させ、政治と行政の協力体制を築くための大きな支障となりました。

 

 2は郵政民営化で袂を分けたグループである国民新党と手を結んだことです。郵政民営化は中身の是非はともかくとして国民から広く支持されたことで、今更ひっくり返して手を結ぶことで清新・革新イメージを大きく損ないました。

 

 3は鳩山元首相が発想した友愛という性善説ベースの素晴らしい構想でした。

 しかし悲しいことに、中国は尖閣を巡って半ば国策として反日デモをガンガン行って日系スーパーを破壊したり、韓国は李明博大統領が竹島に上陸したりと、全くの裏目に出ました。個人での付き合いと違い、外交は国益や民意が関係しますから、難しいですね。

 

 時代を超えて読まれる三国志や水滸伝では計略やだまし合いをふんだんに用いています。中国という一筋縄ではいかない国の内戦が描かれています。今も変わらぬ複雑な大陸国の気質が反映されている名著と言って良いでしょう。友愛だけでは外交は成り立たないことを、私たち国民も思い知りました。

 

 4の消費増税は自民党がやるならば分かりますが、左寄り、労組寄りの民主党がやることに驚きました。庶民からの徴税強化をまさか民主党が行うとは多くの人が思いませんでした。資本家=自民党、労働者=民主党、という構図が崩れました。

 

 民主党政権は国民の苦い思い出となりました。そして、民主党はその後の全ての選挙で全く支持が得られなくなりました。今回民進党と名前を変えましたが、全く別の名前にしても良かったような気がします。それほどに信用が低下しました。

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第二次安倍政権の評価

 第一次安倍政権の反省を踏まえ、教育で改革を訴えることはしていません。経済に軸足を置いた政策です。特にアベノミクスは歴代政権を振り返ってもほとんど例を見ない大胆な経済政策であり、中央銀行である日銀との直接的な協力体制は大きく株式市場を回復させました。

 

 ここまで経済に踏み込んだ政策は戦後ほとんど記憶にありません。アベノミクスの評価は難しいところですが、求人倍率や株価などで具体的な数字を確認することができます。株式市場対策だけでも、 

  1. NISA実現
  2. 日銀ETF買い入れ
  3. GPIFのETF買い入れ

 ・・・などなど。賛否ありますが戦後最大級の経済政策目白押しです。そして、今度の選挙ではこのような主張をしています。

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嫌な予感をさせるに十分な民進党の政策

 民進党の政策からはまだ具体的な政策が見えてきません。私が勉強不足なのもありますが、情緒的な言葉の羅列の域を超えません。抽象的と言われる「日本総活躍社会」のほうがまだ具体的です。

 

 今後分かってくるのでしょうか。

 

 ただ、一つ非常に気になる政策があります。それは、金融所得課税5%増というものです。これは具体的です。

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 これは今までの自民党による株式市場活性化の努力を水泡に帰すぐらいのインパクトがあります。なぜかというと、「民進党は株価を上げることにこだわらない」という強烈なメッセージだからです。

 

 株価が低迷して経済が繁栄することは現代社会においてはありません。適正な株価位置で市場を活性化させ、経済を活性化させることが必要なのです。だから、安倍政権では株式市場へ積極的なかかわりをみせているのです。

 

 民主党政権下での行き過ぎた円高放置、低迷する株式市場放置による経済の低迷は記憶に新しいところです。しかし、このような政策が平然と出てくるあたり、民進党では先の民主党政権での反省と総括が本質的にはほとんどされていないことを伺わせます。

 

 縮小経済国の日本にとって、経済政策が大事なのは言うまでもありません。日本がもっとも豊かだった時代を支えてきた団塊世代はすでに働き手の先頭から降りています。

 

 これからの縮小経済という下り坂をどのように乗り切るのか。いや、凌ぐのか。これは、私たち現役世代の政治的関心と投票という行動が重要なポイントになります。今後の自民、民進、ならびに各党の選挙戦と主張を注視しようと思います。

 

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