たぱぞうの米国株投資

米国株投資で人生の選択肢を増やすという提案です。某投資顧問のアドバイザーをしています。

金融庁による顧客本位路線は誤りなのか

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金融庁による顧客本位推進路線

 金融庁による金融機関に向けてのフィデューシャリーデューティ、つまり顧客本位という考えに基づいた指導が明確になってきています。私たち投資ブロガーに対する説明会を始め、平等でわかりやすい仕組みづくりを目指している様子が伝わってきます。

 

 端的に言うと、十分な知識のない消費者に金融機関が高コスト商品を売り、手数料をせしめるという構図をストップさせようという考えに基づくものです。

 

 その高コスト商品とは、付加価値によってコストが見えにくくなっている保険商品や、信託報酬が3%もあるような投資信託だったり、元本を削りながら分配金を出す毎月分配金型の投資信託だったりしたわけです。

 

 いわば、騙すほうよりも騙されるほうが悪いという論理が展開されていたわけです。そのため、日本においてはすっかり

 

 投資=危険

 

 という価値観が広がっており、そのことが超低金利にもかかわらず定期預金が依然として人気という不思議な構図を招いています。

 

 一方で、この流れに対する戸惑いの声や反論があるのも事実です。ここで、そういった意見を紹介してみたいと思います。

金融教育をもっと充実させるべきだという意見

 久留米大学教授の塚崎公義氏による主張を紹介します。氏は出身がみずほ銀行です。

 

 金融庁は本年3月、「顧客本位の業務運営に関する原則」を発表し、金融事業者(金融商品の販売、助言、商品開発、資産管理、運用等を行う全ての金融機関等)が顧客本位の業務運営に当たるべきだ、としています。ポイントは「顧客の最善の利益の追求」です。

 

 一見すると素晴らしい理想を述べているようですが、筆者は「余計なお世話」だと感じています。自動車販売店を所管する監督官庁が同様の指導を行なっているという話は聞いたことが無いからです(笑)。

 

~中略~

 

 投信の販売手数料は高すぎるでしょうか? 自分で運用するわけでもなく、右の商品を左の顧客に売るだけで3%程度が受け取れて、しかも「年会費」の約半分が受け取れるのであれば、美味しい商売だと言えるでしょうが、「高すぎる」か否かは評価が難しいでしょう。

 

 一般に、手数料が高すぎるならば、ライバル企業が安売り競争を仕掛けてくるはずです。投信の販売が独占企業によって行なわれているわけでもないので、顧客は手数料の安い店で買えば良いのです。

 

~中略~

 

 どうやら金融庁の問題意識としては、「自動車の品質やデザインは素人でも理解できるので、顧客が自分で価格と見比べて判断する。だから、割高な価格設定をしている店は売れ行きが落ちる」「一方で、金融商品は素人には理解が難しいので、金融機関の言いなりになってしまう客が多い」という認識でいるようです。

 

 そうだとすれば、金融庁が注力すべきなのは消費者の金融知識を増やす「金融教育」でしょう。少なくとも金融関連用語に拒絶反応を持つ人を減らす努力は必要でしょう。

金融庁は金融機関に顧客本位を求めるより消費者教育を | 投信1 | 1からはじめる初心者にやさしい投資信託入門

金融教育は確かに必要かもしれないが

 確かに一理あると思いました。私は成長性や、株主還元の熱心さに注目して米国株一本にしました。「顧客は手数料の安い店で買えば良いのです」というのはそういうことで、嫌ならば買わなければよいというのは確かに図星です。

 

 ですから、私は今は日本の投信や日本株を買っていません。ただし、タイトルが「1からはじめる初心者にやさしい投資信託入門」のわりには初心者に優しくないのがちょっとシニカルなところです。

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 そこで思い出したストーリーがあります。

 

 かつて、ベトナムを旅していた時に見たテレビ番組が印象に残っています。それはお笑いコントでした。今の日本のお笑いはほとんどトーク主体ですが、その番組はコントだったので珍しくて見入ってしまいました。

 

 AさんがBさんに木に登るようにそそのかします。木に登れば、果実が取れるからです。正直なAさんは言われたとおりに木に登ります。そして、果実をBさんに渡します。

 

 そのうち、Aさんは汗をかいてきます。Bさんは服を脱げばいい、預かるよ、と言います。Aさんは服や帽子、靴をBさんに預けます。

 

 そうして、Aさんは果実を汗かいて取り続けます。

 

 十分な果実と服を手に、Bさんは走って逃げ去ってしまいます。その時に、Bさんは追い打ちをかけるように、Aさんをバカにした発言をしてAさんが怒る、というストーリーでした。会場のお客さんも、騙されたAさんを笑っていました。

 

 私たち日本人からすると、違和感のあるストーリーではないでしょうか。

 

 このストーリーをさるかに合戦に置き換えてみます。さるかに合戦でサルに柿を投げつけられて、つぶされたカニが馬鹿を見た、分かっていない、ということになります。海外で過ごしていると、たまに常識が全く違うことに気づかされるときがあります。

 

  誰しも騙される側にはなりたくありません。

 

 そして、騙す側を肯定する気にもならないですし、騙される人が悪いとも思いません。ただ、今までの金融商品というのが行政指導をしなくてはいけないほどのものが多々あったということ、これはやはり問題だと思います。

 

 私は金融庁の顧客本位路線を支持していますが、様々なとらえ方があるということですね。

 

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