たぱぞうの米国株投資

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50代から自分年金を配当金で作るには

自分年金を配当金で作るという考え方

 ETFで分配金を貰う、この体制を作ると持続可能な自分年金システムができます。年を取って、銘柄分析に支障が出た場合でも、銘柄の入れ替えを勝手にやってくれる。それがETFです。

 

 もし老後に時間があるならば個別株研究をして自分年金づくりにじっくり取り組んでも良いでしょう。しかし、それは投資が趣味の人ならばできるでしょうが、夫婦の時間を楽しんだり、お孫さんのお世話を頼まれていたり、ということならばETFが最も良いということになります。

 

 つみたてNISA導入後は急激に日本の投資信託も良くなりました。かつてのMSCIコクサイ一辺倒ではなく、S&P500やVTI相当の投資信託を買うことができます。もし、口数を削っても抵抗が無いのならば、これらの投資信託で自分年金づくりをしても良いでしょう。

 

 私がブログを始めたころとは状況が一変しつつあり、何が何でもドルでETFを直接買い付けということではなくなっています。とはいえ、私はやはり米国市場の商品を、直接ドルで買い、ドルで配当を得るというところに魅力を感じていますけどね。

 

 さて、今回は「老後の自分年金づくり」ということでご質問を頂いていますので、ご紹介します。

年間120万の配当を目指して投資をしたい

たぱぞう様
はじめまして、千葉市在住のHと申します。
突然で恐縮ですが教えて頂きたいことがありメールしました。

 

 私(54)と妻(47)は地方公務員、子供はおりません。住まいは戸建の持家でローンはありません。預金は5,000万円、日本の個別株で700万円ほど運用しており、年間の配当は税引き前で年間35万円くらいです。

 

 私は持病のため1~2年後にはリタイアする予定で退職金は1,800万円ほど、私が年金を受給する10年後に、家内も早期退職を希望していて退職金は2,000万円ほどの見込みです。

 

 まずは家内が年金を受給するまでの間、私の年金を補うために年間120万円の配当を目指して10年後の流動資産9,500万円のうち約35%、3,500万円までを投資に充てて、以下のように運用しようと考えています。

  1. 日本株は原則そのまま(700万円)
  2. つみたてNISAで楽天版VTIを2人とも満額まで (40×2×10=800万円)
  3. 残り2,000万円の7割をVYMに
  4. 3割を高配当の個別株とPFFに
  5. 毎月平均15万円ずつ積み増し

そこで以下の5点についてアドバイスを頂きたいのですが、

  1. 投資額は少なすぎるでしょうか?
  2. 投資対象とその割合は適切でしょうか?
  3. 期間が短いですが節税目的でiDecoを利用する方が良いでしょうか?
  4. リタイア後、私は配当以外の所得が無くなりますで、外国税額控除や扶養控除などを考慮して、上記(3)は家内名義で運用するのが良いでしょうか?
  5. 10年後も追加投資せずに運用は続けるつもりです

 昨年8/18の解説にあるように、投資期間が短すぎるでしょうか?ご多忙のところ恐れ入りますが、アドバイス頂ければ幸いですよろしくお願いします。

年間120万円の自分年金づくりは簡単

 ご質問者様の資産レベルならば年間120万円の自分年金づくりは簡単です。投資で一番難しいのは種銭作りですが、すでに種銭は十分にできています。それを踏まえてご質問にお答えしていきます。

投資額は少なすぎるでしょうか?

 3500万で年間配当金120万を目指すならば、少々リスクを取りに行かなくてはいけません。およそ3.35%程度の税引き後利回りを実現する必要があります。そうなると、実質的にはおよそ4%の表面利回りです。

 

 高配当株、リートETFなどに限られますね。あるいはPFFやジャンク債ETFなどをトッピングするということになります。高配当株は個別株特有のリスクが、リートとPFF、ジャンク債はリセッション時における減配、下落リスクがあります。

投資対象とその割合は適切でしょうか?

 適切です。ただ、今までのご経験を踏まえると個別株とPFF、ジャンク債はあまり資金投入しないほうが良いと思います。少額から始めたほうが良いでしょうね。理由は先のようなリスクです。もう少し詳述します。

 

 退職しますと、2つの気を付けなくてはいけない点があります。

  1. 時間がある
  2. インカムが無い

 この2点です。時間があるというのは良し悪しで、相場に向かいすぎる危険もあるということです。私もそうですが、御大バフェット先生も毎日株価のチェックはしないと言います。初心者の方で相場に向き合いすぎる人は、精神的な余裕が無さ過ぎ、売り買いを必要以上にしがちです。

 

 また、給与というインカムが無くなります。これは想像以上にプレッシャーです。株価が下がったときに、より精神的に追い込まれます。妥当性と合理性ある買い付けをし続けることが難しくなる可能性がありますね。

 

 そういう意味では、殆どVYMにしてしまったほうが安心です。ただ、VYMだけだとリターンが足りません。でも、それは割り切って、手元のキャッシュポジションから削って良いのではないでしょうか。

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 敢えて高配当化するために無理してリスクを取りに行かなくて良いと思います。若ければインカムが入るので損失をカバーできますが、先にも述べたようにインカムが無くなりますので、より守りを意識した投資が大事です。

 

 ちなみに、期間が短いのでiDeCoは不要です。

奥様名義での運用はどうか

 それから、奥様名義の運用ですが、夫婦仲が盤石の円満さならば問題ありません。仰るように外国税額控除を始めとするメリットは大きいです。

 

 ただ、なにか状況が変わったときに、失うものも大きくなります。ちょっと表現が憚られますが、愛とお金を同時に失うということになりかねません。ある意味では集中投資めいたことになってきます。私ならば多少のデメリットはありつつも、夫婦で分けるかもしれません。難しいところですけどね。

10年後も追加投資せずに運用は続けるつもり

 良いですね。もし残金が出たら追加投資をしてもよい、これぐらいのスタンスでゆったり投資をすれば良いと思います。

 

 せっかく手元にキャッシュがありますから、それを生かしつつ、また節約をベースとしつつ無理のない運用をされたらいいですね。ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

  不労所得を稼ぐにはどうするか、ということでこちらはハードアセットも含めた投資についても触れています。

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  私たち30代、40代は良くて70歳からの年金スタートになっているでしょうね。70歳定年が現実味を帯びつつあります。70歳定年にならなくとも、実質70歳あるいはそれ以上まで働かなくてはいけない状況にはなっているでしょう。

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  老後を見据えた投資術ということで、こちらは55歳からの投資運用術についての記事です。 

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