たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

米国高配当株の売り時

米国高配当株は5%を超えるものもある

 米国株はAmazonやGoogleなど、配当を出さずに成長を続ける株もあれば、高配当が魅力な株もあります。米国株でなくとも、ロイヤルダッチシェル【RDSB】やブリティッシュアメリカン【BTI】、ナショナルグリッド【NGG】、グラクソスミスクライン【GSK】、香港上海銀行【HSBC】といった英国株群も高配当で有名です。

 

 米国株で言うと

  • アルトリア【MO】フィリップモリス【PM】などのタバコ会社
  • サザン【SO】などの電力会社
  • シェブロン【CVX】などの石油会社

 などはセクター全体で高配当傾向にあります。これらの高配当株に共通することは事業内容が良く言えば安定的、業界全体がマチュアであるということです。逆に言うと成長性という部分でやや課題があります。

 

 そのため、キャピタルゲインを狙いに行くというよりは、インカム、配当を狙いに行くような株が多くなっています。

 

 さて、今回はこの米国高配当株に関してご質問を頂いていますので、2つ続いてご紹介したいと思います。

米国高配当株で含み損になったらどうするか

 いつもブログを楽しみにしています。

 

 最近の株価調整により、含み損をかかえてしまった時に、日本株投信は買い向かえず(流行りのジェイリバイブなどを買っていました)、たぱぞうさんの記事を読み米国ETF(VTI・VYM)を中心に米国集中投資に変更しようと考えております。

 

 それでいくつかお聞きしたい事がありご連絡いたしました。

 

 米国高配当株(情報.通信.エネルギーなど)をポートフォリオに入れると、チャートは右肩上がりではないため、キャピタルは狙えず含み損になる事も多くなると思います。そんな時でもインカム狙いの投資と割り切り保有し続けるという考えで間違いないでしょうか?

 

 もちろん、業績や減配などの心配が少ないという前提においてですが…。

 

 初心者だからか、含み損がある事が怖く感じてしまいます。たぱぞうさんの保有株にも損益のついている銘柄などはあるのでしょうか?持ち続ける、信念みたいなものがあれば、是非教えて頂きたいです。


 初歩的な質問で申し訳ありません。40歳代、パート主婦、投資一年目です。将来、りんごの木に果実が実るようなそんな長期投資を目標としています。

米国高配当株の売り時について

たぱぞう様

 いつも楽しみに拝見させて頂いております。

 

 高配当株の売り時についてお聞きしたいことがあります。英国株のHSBCなど高配当株を、配当狙いで買っているのですが、ここ数年の株価上昇により、これらの高配当株を売ってしまいたい衝動に駆られます。

 

 これらを売ってしまうと、配当の3年分、5年分、8年分の利益が出ます。例えば、8年分の利益だ出ている株は売ってしまい、この先8年以内に株価がドンと下がったときに買い戻せばいいのではと考えてしまいます。 売るべきでしょうか?持ち続けるべきでしょうか?

 

よろしくお願いします。

米国高配当株の売り時とは

 米国高配当株の売り時はいくつかあります。

  • 減配した時、しそうな時
  • 配当余力に陰りが見えたとき
  • 業績が悪化した時

 このような時です。配当の原資は企業活動の利益です。この利益が減ったり、あるいはマイナスになるような時は減配リスクが出てきます。ただ、利益というのは急激になくなるわけではありません。

 

 配当性向が上昇したり、利益が下がったり、利益率が低くなったり、様々な兆候があります。ですから、これらの数字を見つつ、逃げ時を自分なりに決めておくと良いでしょう。

 

 ただし、いずれにしても高配当株の投資というのは個別株投資になります。つまり、投資難易度としてはETFや投信などよりも難しいということです。こういった企業業績を追うのが面倒、という場合には最初からVYMなどの高配当ETFを購入したほうが賢明でしょう。

 

 また、含み損を心配されていますが、高配当株投資は逆に含み損が出にくいです。配当はじりじりと積みあがります。例えば5%配当の株を10年持っていれば、税引き前で50%の利益が出ます。20年持っていれば100%、投資元本を回収できることになります。

 

 こうなってくると、いくら株価が下がっても「損のしようがない」体制を作ることができます。損益通算なども組み合わせて行うことで、効果的に節税もできるということです。

 

 もちろん、前提としては減配しない、持続可能な高配当をしている株ということになります。

 

 また、HSBCですがこれは相場の動向をどう見るかで変わると思います。HSBCは中国経済の影響を強く受けます。何らかの形でリセッションに入るならば、金融機関ですので感受性は高く、株価は下がるでしょう。

 

 リーマンショック、ギリシアショック、チャイナショックで見事に下げているのが確認できます。そして、高配当株らしい横ばいチャートです。

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 逆に、今まで配当を享受できたし、キャピタルゲインも出ているからリセッションが来ても余裕だ、回収できる。という考え方もあります。もし、ほかに買いたい株やETFがあるならば、乗り換えるというのはあながち間違っていないと思います。

 

 いずれにせよ、買った時期が良かったですよね。様々なプラスの選択ができるということです。ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

  こちらの記事も併せて読んでいただければと思います。メリットとデメリットに関してまとめています。

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  高配当株で自分年金を作って運用するという手もあります。ただ、毎月分配型の投信で自分年金ということを言われますが、これはダメです。

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  こちらの方は、ブリティッシュ・ペトロリアム【BP】に全力投資をされています。得られる配当金は大きいですが、石油市況次第であり、個別株リスクもありますので上級者向けですね。

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