米国貸株サービスが2016年8月下旬スタート
SBI証券で米国株貸株制度が始まりました。今まで外国株は貸株制度の対象外でした。
※画像はSBI証券ホームページから
実際に使ってみた報告はこちら。
米国貸株サービスのメリット
すでにネット証券大手3社でも貸株制度自体は行っています。ただ、外国株式を対象というのはSBI証券が初めてです。
簡単に制度説明をすると、私たちの持つ株式を証券会社に貸し出す制度のことです。それによって得られるメリットは三つあります。
- 貸し出すことによって金利収入が得られる
- 権利の切り替えをすれば、配当金も従前と変わらず得られる
- 売却益も変わらず得られる
というところです。日本株のように優待があれば、優待も得られるところですが、米国株にはありませんね。
配当金は一般的には期日にいったん権利を元の所有者に戻せば、今までと変わらず受け取れます。しかし、証券会社によって自動で権利を戻すところと、手動で権利を戻さなくてはいけないところがあります。自動だと面倒が省けてよいですね。
売却も権利を戻してすぐに行えます。頻繁な売買をしない人も、する人もさほど気にせずサービスが利用できるでしょう。ただし、デイトレードのような頻繁すぎる売買には向きません。
気になる貸出金利ですが国内東証1部を例にすると0.1%~1%程度の株式が多いです。NYSE上場のメジャー米国株もこのレンジに収まってきています。もし高金利1%つけば、配当にプラスして受け取れるので大きいですね。もっとも、安定株は殆ど0.1%程度です。
米国貸株サービスのデメリット
貸株サービスのデメリットは以下のようになります。
- 株を預けた証券会社が倒産すると株が取り戻せない、かも
- 配当金相当額として受け取ると雑所得扱い、総合課税扱いになる
1は株式の名義が証券会社に書き換えられることによって起きるデメリットです。今の相場環境であれば可能性は低めです。
2は、配当金として受け取れば問題ありません。しかし、配当金受取の権利発生日に証券会社が権利者だと、証券会社から元の貸主に配当金相当額として配当が支払われます。配当金相当額は、雑所得扱いです。
雑所得扱いだと総合課税になります。総合課税だと給与収入、つまり年収などと合算されるので、配当収入額によっては所得税や住民税が上がる可能性があります。
通常配当収入は配当控除が受けられるので、源泉徴収の20%+復興税以上取られることはありません。しかし、雑所得扱いだと実質さらに取られる可能性があるということです。
また、雑所得だと株式売買との損益通算ができません。通常の配当収入であれば、取引で損が出た分と配当収入との合算をすれば、税金を取り戻すことができます。それができなくなるというのは痛手です。
まったく売買をしない、損益通算もしないならばこれは問題にならないでしょう。しかし、損だしをして税金還付を受けることを行うことを前提にしている場合は大きなデメリットということになります。
今のところ、通常の配当として吐き出してくれています。今後も配当金相当額扱いにならないように注目してきます。
まとめ
貸株サービスは配当金の受領が自動で権利戻しをしてくれるかどうかが大きいです。銘柄数が多く、配当金額も大きい場合は手間とうっかり忘れて雑所得になってしまうリスクがあるからです。
証券会社倒産リスクは無いとは言えませんが、相場環境を見てその時に貸株サービスから外せばよいので、避けることは可能と思われます。
配当金相当額、つまり雑所得として扱うことを前提としているサービスならば、私は面倒なので手を出しません。今のところ、配当金として支払をしてくれているので、ちょこっとしたお小遣い稼ぎで利用しています。
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