たぱぞうの米国株投資

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米国株セクター投資とバンガードの考え方

10セクターの米国株ETFを設定しているバンガード

 米国株は業種ごとにグループ化できます。これをセクターと言います。バンガードやブラックロック、スパイダーなどの大手各社はセクターごとに的を絞った「セクターETF」を組成しています。

 

 ここでは、低経費率で定評のあるバンガードのセクターETFを紹介します。

バンガードの米国株セクターETF一覧

  ティッカー 正式名称
1 VAW 米国素材セクターETF
2 VCR 米国一般消費財・サービス・セクターETF
3 VDC 米国生活必需品セクターETF
4 VDE 米国エネルギー・セクターETF
5 VFH 米国金融セクターETF
6 VGT 米国情報技術セクターETF
7 VHT 米国ヘルスケア・セクターETF
8 VIS 米国資本財・サービス・セクターETF
9 VOX 米国通信サービス・セクターETF
10 VPU 米国公益事業セクターETF

 バンガードは米国株を10セクターに分けています。GIGS分類の不動産セクターがありません。日本のような大きな総合不動産業というのがアメリカには無いため、現状だと時価総額上小さい扱いになるからでしょう。

 

 このセクターというのはGICS(Global Industry Classification Standard)による産業別分類が元になっています。2016年に金融から不動産セクターが分かれ、2018年に電気通信が通信サービスセクター、コミュニケーションセクターに変更になりました。

 

 とくに大きな変更としてはやはり、2018年に電気通信サービスとされたセクターが通信サービス・コミュニケーションサービスに変更になったことですね。これにより、電気通信では従来AT&Tとベライゾンが大きい比重を占めていましたが、ディズニーやalphabet、Facebookもセクター移動して分散されました。

 

 かつては電気通信セクターや公益がディフェンシブとして知られました。このほかにも、米国生活必需品セクターETF(VDC)や米国ヘルスケア・セクターETF(VHT)はディフェンシブもして知られますね。これらのセクターは不況に強く、リターンが安定的だからです。

 

 反面、原油安の影響を受けて米国エネルギー・セクターETF(VDE)は取引値が停滞気味です。また、リーマン後から2016年前半までは米国金融セクターETF(VFH)も多クターに比べて取引値がふるいませんでした。しかし、2016後半から政策期待を受けて上昇をしましたね。

 

 このように、各セクターごとに個性があります。

GICSセクター分類の変更

GICSセクター分類の変更

 どのセクターを買っておけばよいということではなく、適宜分散させて投資を積み重ねていくことが安心・安全ということになります。そのために、バンガードなどETF組成を行う企業がどのような考え方に基づき、どのようなセクター分けをしているのかを知っておくことは有効です。

バンガード・米国株セクターETFの組み入れ上位3社

    組入れ1位 組入れ2位 組入れ3位
1 VAW Linde(LIN) DowduPont(DD) Ecolab(ECL)
2 VCR Amazon(AMZN) Home Depot(HD) McDonald's(MCD)
3 VDC Procter & Gamble(PG) Coca-Cola(KO) PepsiCo(PEP)
4 VDE Exxon Mobil(XOM) Chevron(CVX)

Conoco

Phillips(COP)

5 VFH JPMorgan Chase(JPM)

Berkshire

Hathaway(BRK)

bank of America(BAC)
6 VGT Microsoft(MSFT) Apple(AAPL) VISA(V)
7 VHT Johnson & Johnson(JNJ)

United

Health(UNH)

Pfizer(PFE)
8 VIS Boeing(BA)

Union

Pacific(UNP)

Honeywell (HON)

9 VOX Alphabet(GOOGL) Facebook (FB) Verizon(VZ)
10 VPU NextEra(NEE) Duke(DUK) Dominion(D)

 セクターETFごとの組み入れ比率トップ3社をまとめたものです。赤字はこの2年で入れ替わった、ランクインした銘柄です。

 

 VAWは合併でバイオ科学メーカー、モンサントが消失したのが大きな変化ですね。2018年6月にドイツのバイエルに買収されました。

 

 alphabetやFacebookは前はVGTに入っていました。見ると、比較的歴史あるセクターの入れ替えが乏しいですね。バークシャーが金融に入ったのも印象深いです。

 

 また、ユナイテッドヘルスがVHTで2位になりました。前は、メルク(MRK)がランクインしていました。VDEは前はシュルンベルジェ(SLB)ランクインしてました。大きな変動がありましたね。


 こうして自分のポートフォリオと見比べてみると、偏りが分かります。トレンドを追っていると、ハイテクと金融、それから一部半導体などが多いのではないでしょうか。

 

 反対に、ディフェンシブに生活必需品やヘルスケアを入れていると、逆に以下のセクター銘柄は少ないでしょう。

 

 米国素材セクターETF(VAW)、米国一般消費財・サービス・セクターETF(VCR)、米国金融セクターETF(VFH)、米国情報技術セクターETF(VGT)、米国資本財・サービス・セクターETF(VIS)などですね。

 

 個別株投資の場合は、自分の好みに合わせてばかりいると偏りが生まれます。時々こういうセクターETFの組み入れと自分のポートフォリオを比べて、買いたい銘柄を考えてみても良いでしょうね。分散を旨とするならば、特にそうです。

バンガード・米国株セクターETFの資産総額・経費率

    ETF純資産総額:単位10億$ 経費率
1 VAW $1.84 0.10%
2 VCR $3.18 0.10%
3 VDC $5.43 0.10%
4 VDE $3.23 0.10%
5 VFH $7.17 0.10%
6 VGT $18.91 0.10%
7 VHT $8.74 0.10%
8 VIS $3.31 0.10%
9 VOX $1.92 0.10%
10 VPU $3.73 0.10%

 資産総額で見ると、米国情報技術セクターETFがずば抜けて大きいです。この2年でも1.5倍に膨らんでいます。次に米国ヘルスケア・セクターETF、米国金融セクターETFと続きます。こうしてみてみると、米国企業が圧倒的な強みを持つセクターのETFの資産総額が大きいことに気づきます。

 

 米国企業の強みは、情報技術、ヘルスケア、金融と言えそうです。ただ、だからと言って単純にこれらのセクターを買うと、割高である可能性もあります。期待値が株価に込められているからです。

 

 自分なりの投資方針を持って、継続した投資を行っていくことが肝要であると言えます。

 

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