たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

米国株と為替差損益

米国株投資と確定申告

 米国株投資は一般的に投資額が大きくなると確定申告が必須になります。今やほとんどの証券会社で導入された特定口座であれば、必ずしも義務ではありません。しかし、確定申告をあえて手間をかけてしたほうが得だということです。 

 

 それは、外国税額控除という制度があるからです。米国株の場合の配当への税金のかかり方はこのようになっています。

 

米国での外国源泉徴収課税(10%)+日本での所得税+住民税=手取り72%

 

 この、最初の10%分を確定申告によって取り戻すということです。また、最大で10%の控除ですので、10%以下になることも少なくありません。

 

 例えば私は住宅ローン減税をしています。また、株の取引上の損だしもしています。そのため、外国税額控除ぶんは税引前配当が186万あったにも関わらず、たったの2万円ちょっとでした。

 

 ただし、譲渡益税、つまりキャピタルゲインと言われる株価の上昇に伴う税金は源泉徴収課税がありません。また、外国株の場合は配当控除が使えません。

 

 こういった税制上の基礎的な知識を持ったうえで、米国株投資をすると戦略的にも多少の深みが増すように思います。さて、今回のご質問です。

米国株における少額の利益は確定申告をしなくても良い?

 はじめまして、たかしと申します。最近たぱぞう様のブログを見始めました!

 

 まだ資産運用の経験はありませんが投資に興味がありSBI証券にNISA口座とともに申し込みました。

 

 長期に運用を考えていてNISA口座で米国株にドル建てで投資を考えているのですが1つ気になることがあるのでよろしければ質問させていただけますか?

 

 NISA口座であれば買い付け手数料がかからないことや、日本国内では課税されないということがわかったのですが、ある程度利益が出てドルから円に換金した場合に為替利益が大きくなった場合は確定申告をしなければいけないのでしょうか?

 

 為替利益は年間20万円までは確定申告しなくてもいいようなのですが、米国株を取引されている方はそこはどの様に考えていらっしゃるのでしょうか?

 

 私は少額からのスタートになりますので年間の為替利益が20万円を越えることはまずありません。 私としてはなるべく自身での確定申告はしないでいければなと思っています。 長々と読みにくい長文失礼しました、もし時間がありましたらたぱぞう様のご意見を聞かせてください。

NISAの場合は外国税額控除ができない

 まず、NISAの場合は外国税額控除ができません。つまり、米国での課税である10%はそのままだということです。これは租税条約上の二重課税を防ぐ目的であるのが外国税額控除なので、二重課税にならないNISAでは控除ができないという解釈です。

 

 ご質問にはありませんが、併せて知っておくと今後の投資金額が大きくなった時に生きてくる知識かと思います。

為替での利益は雑所得になる

 ご質問にありました、為替での利益は一般に雑所得になります。FXと同じ扱いです。そのため、20万円以下であれば、確定申告は不要ということになります。ただし、他の何らかの収入があり、それに関して確定申告をしなくてはいけない場合は、しなくてはいけません。

 

 ほかに確定申告をすべき収入がないならば、そのまま申告しなくても良いということです。

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 ただし、確定申告は所得税に関わる部分に関してです。つまり、国税に関する部分です。住民税、つまり地方税に関わる部分は別に支払い義務が生じます。金額の多寡にかかわらず、この場合だと10%の住民税がかかると知っておくとよいでしょう。

 

 迷ったら、収益を明らかにして市町村民税課に行けば教えてくれます。税制は複雑ですが、あとで困ったことにならないためにも最低限の知識を知っておきたいですね。

 

 ちなみに、私は自分でやろうとすると税務処理が複雑で時間がかかりすぎるので、税理士さんにお願いしています。資産規模に応じて、時間をかけて自分でやるのか、お金をかけて税理士さんにやってもらうのか決めると良いですね。

 

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