たぱぞうの米国株投資

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【超基本】誰でもわかる生命保険のかけ方、考え方

 生命保険のかけ方、考え方

 生命保険に関しては貯蓄型やら変額商品やら種類が多くて複雑というイメージを持つ方が多いですね。そこで、あえてシンプルに2つの視点を提案します。

 

 生命保険というのは日本においては非常にメジャーな運用先です。ある意味では株式以上に浸透しており、その営業力は間違いなく世界でもトップレベルでしょう。このように私たち日本人になじみ深い保険です。どのように入るのがベストなのでしょうか。

 

 様々な考え方がありますが、投資家目線、節税目線だとキーワードはこの2つだけです。

  • 掛け捨て
  • 節税面から年間払込額8万円が目安。

 シンプルですね。逆に、ゴチャゴチャした説明で頭が混乱するようならば、この原則に戻ればよいのです。ゴチャゴチャした金融商品で良いものは無い。これぐらい思い切れば迷いもなくなります。

生命保険は掛け捨てを選ぶ

 まず、掛け捨てを選ぶということです。保険に貯蓄性を持たせたり、運用をしようとすると見えない手数料が増え、非効率になります。しっかりと運用と保険を分けたほうがよいです。とはいえ、若いうちは掛け捨てだと負担額が大きくなりがちですが、ごちゃごちゃしますのであえて「掛け捨て」一本を提案します。

 

 また、独身だと大きく複雑な保険にしなくても、十分足ります。内容を軽くして負担額を抑えると良いでしょう。また、所帯持ちでも、保険は年金や高額医療費制度でカバーされる部分が大きいですから、基本はシンプルというのは変わりません。

 

 無理して貯蓄性が高い保険で資産運用していくという意味はあまりありません。

 

 ただし、この前提になるのは「無駄遣いをしない人」ということです。貯蓄性の保険というのは口座引き落としが一般的ですから、強制貯蓄効果というのはあります。お金があるとついつい浪費をしてしまう人はこの限りではありません。が、どのみち天引きならば自分で直接天引きの積立投資商品を選んだほうが良いです。

節税面から年間払込額8万円が目安~生命保険控除枠~

 年間払込額は8万円が目安です。それ以上かけても節税メリットはありません。

 

 サラリーマンの控除、法人で言う経費は限られます。そういう意味では数少ないサラリーマンの経費の1つがこの生命保険控除です。生命保険控除は平成24年以降は以下の3本柱になっています。

  1. 新生命保険料控除
  2. 介護医療保険料控除
  3. 新個人年金保険料控除

 この3つです。今回関係してくるのが1「新生命保険料控除」です。以下のような控除額になっています。

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 支払い保険額に対応する控除額は以下のようになっています。

年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超 40,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超 80,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超 一律40,000円

いずれも出典元は国税庁のサイトです。

 

 つまり、控除枠をフルで活用しようと思えば年間8万円の払い込み額が目安となります。それを上回る金額で生命保険を組んでも、控除の枠が増えるわけではありません。

 

 この年間払込額8万円という目安ですが、保険内容を厚くする、薄くするというのは個人の置かれた状況によります。

 

 ただ、こういう目安、基準を知ったうえで契約するのと、言われるがままに組むのではかなり違います。ズバッと2つ、シンプルに生命保険のかけ方・考え方をまとめました。

 

 さて、こうしたことを踏まえて、ご質問を紹介します。

家族4人、預金と保険だけでなく投資を始めたい

 いつも興味深く拝見させていただいております。子育て世代の投資およびインフレを意識した投資についてご意見を聞かせていただければ、幸いです。


属性

私36歳 会社員、妻と二人の未就学児の4人家族 

資産と負債状況

  • 預金 1700万円
  • 全前期前納終身保険700万円(学資保険がわり)
  • 外貨建て終身 100万円
  • iDeCo 毎月2.3万円拠出中

負債

  • 住宅ローン 2,000万円(35年固定金利)

 子育てが始まったばかりで、今後の必要資金と時期を睨みながらリスク分散が必要と考えています。1700万円をどのように分散させるかで悩んでいます。

 

 長期的な金利上昇・インフレを前提として、資金用途別に流動性とリスクを段階的に分けて以下のように考えています。

 

  • 生活防衛資金 500万円
  • 運用:1年定期および普通預金
  • 住宅ローン控除が終了後の繰り上げ返済資金(繰り上げ返済はその時の状況で考える)および教育資金 600万円
  • 運用:1年定期および10年前後のゼロクーポン債
  • リスク資産へ振り分ける資金 600万円

 ウエルスナビの継続か、手数料が高いので一般NISAで国際分散になるようにETFを積立購入

 

 今となっては全期前納するんじゃなかったと後悔していますが、一定額の教育資金は確保していると考えるようにしています。たぱぞう様はどのようにお考えになるかお教えいただけないでしょうか。

前期全納終身保険は済んだこと、切り替えていきましょう。

 前期全納終身保険700万は大きいですね。しかし、まあ済んだことですし相場も軟調です。ですから、これはこれで切り替えてよいと思います。

 

 まず、お子さんの年齢が小さいというのが1つの有利な条件になりますね。お二人いるということですから、ジュニアNISAの枠で160万円確保できます。しかも、子育てが始まったばかりということで20年近く利用できます。

 

 また、見たところご夫婦でのつみたてNISA枠も残っています。お2人での枠は80万になります。将来への備えという色が強いようにお見受けしますので、5年年限の一般NISAよりもつみたてNISAのほうが妥当性を感じますがいかがでしょうか。

 

 これらを合算すると、年間で240万もの非課税枠があることになります。自分名義の口座、使い勝手ということを考えると以下の順序が良いですね。

 

  • つみたてNISA→ジュニアNISA

 

 預金が1700万あるということですが、相場の潮目が変わりましたね。無理して突っ込む必要は無いでしょう。240万の枠を使いつつ、コツコツ投資をしていけば良いですね。

  

 ただし。この相場の潮目というのは人によって違います。私は元が逆張り投資家なのでこういう見方をしてしまうのですが、「相場にうまく乗る」ことよりも、コツコツ投資のほうが確実ですね。

 

 ご質問ありがとうございました。

 

関連記事です。

 個人年金保険も控除枠がありますね。これも使いようです。すっかり存在を忘れていましたが、先日金融機関の人と打ち合わせをしていて久々に思い出しました。

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 こちらは住宅ローンに関してです。

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キャピタルとインカムのお話ですね。普通にインデックスで取り崩しによるキャピタルゲインが良いですね。

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