たぱぞうの米国株投資

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定年退職後の生活費を投資で作る

定年退職後の生活費は30万円が目安になる

 多くの世帯で定年退職後の生活費は年金だけでは十分ではない、というのが現実です。そのため、現役時代の貯蓄を取り崩したり、もしくは定年後も働き続けるという選択をすることになります。

定年退職後の生活費はこうなる

定年退職後の生活費はこうなる

 こちらは、総務省の家計調査年報です。高齢夫婦無職世帯の家計収支です。社会保障つまり年金は夫婦でおよそ19.3万円です。不足分はおよそ5.5万円になります。支出を絞らない、あるいはすでに絞り切っておりこれ以上節約できないとなると、この5.5万円をどう稼ぐかというのが現実的な課題になります。

 

 ただ、この社会保障給付は現役時代の払い込み、つまりどんな仕事をしていたかで左右される部分がありますので、あくまで平均値です。厚生年金部分が無く、国民年金のみだとより多くの収入を自分で作る必要があります。

 

 ここでざっくりと押さえておきたいことは2つあります。

  1. 余裕ある生活を送ろうと思ったら月々30万円程度の世帯収入が必要。
  2. しかし、老夫婦の平均年金収入は21万円にとどまるということ。

 この2つです。ある程度余裕をもって2人で生きていくには30万円というのが目安になるということです。年間所得360万円です。1人当たり180万円ということですね。

 

 これに対し、月々の年金はおよそ20万、年間で240万円程度ということになります。おおよそ月に10万程度の年金以外の収入があれば、老後も安泰ということになります。

 

 世帯によって差があるとはいえ、ざっくりと月に10万の不労所得の獲得というのが当面の目標になります。これらを踏まえて、ご質問を紹介します。

定年退職後の資産運用を考えています

 夫婦共働きの公務員で3月に定年を迎えます。退職金はそれぞれに2500万出ます。家のローンは終わり子ども二人もすでに働いています。

 

 5年ほど前から投資をはじめ退職の頃には1500万(日本株、外国株投資信託、セゾンバンガード、VT、VYMなど)になります。これに退職金から1500万ずつを加え計4500万で運用したいと考えています。

 

 (それぞれに残った退職金1000万、計2000万は生活費+緊急避難用として預金します。)

 


 運用は、1000万を個人国債10年、残りの3500万を米国株式で行います。米国株の内訳はVYM250万、VT250万。そして、高配当系の個別株をそれぞれ200万ずつ購入します。


 インカム目当てで年100万以上をめざします。夫婦二人の充実した余暇、子どもや孫への貢献が目的です。キャピタルも一定は期待しますが大きく減らなければ良しとします。


 このような

  1. 定年後の投資は危険でしょうか。
  2. 投資可能とした場合、上記のような振り分けについてどう思われますか。

 たぱぞう様のご意見をいただければ幸いです。宜しくお願い致します。


※退職後は年金が支給されるまでの3年間は月15万程度で働くつもりでいます。

定年退職後のプランとしては殆ど完璧です。

 定年退職間際で共働きの公務員ということで、子育て期に辞めずに共働きを継続されたことが今になって効いてきていますね。退職金もお2人合わせて5000万ということでコツコツと積み上げた努力に報いるものになっています。

高属性を得るための努力と工夫

 属性というのは運不運含めて、その人が努力や工夫を積み重ねて得たものだということです。努力だけでは高属性は得られません。努力に加えて工夫が大事です。

 

 その結果が組織に順応する力であれば良い企業や公務員、創造性や発想に優れるならば経営者あるいは士業、といったようにいわゆる良い仕事ということになるのでしょう。

定年退職後のポートフォリオ

 まず、ポートフォリオです。多くの人がおすすめするポートフォリオには入っていますが、日本国債は私はいらないというスタンスです。日本国債を入れることで、パフォーマンスがグッと悪くなります。これは、運用機関も同じですね。

 

 インフレを起こすと明言している国で、長期の低利が約束されている商品を買う必要は無いですね。また、年金が円で払い出されますから、そこであえて日本国債で日本にウェイトを置かなくてもよいでしょう。ただ、これは異論のあるところだと思います。

 

 代案として米国債のBND・AGGや世界債券のBNDXのほうが魅力に思います。ただし、リターンを相殺する為替リスクはありますので、円安が進んでいるときの一括などは慎重になったほうがいいです。

個別株リスクをどのように許容するか

 また、個別株はリスクがありますから今まで投資歴があれば、そして少々決算書が読めれば良いですが、そういうのが面倒だという場合には素直にETFか投信全振りでよいのではないでしょうか

 

 というのも、定年退職後でその後の収入が減ることを考えると、個別株は経験者ならばともかく、投資歴が浅い場合にはリスクがあるからです。

 

 配当を狙うならば、VYMなどを狙っても良いでしょう。いずれにせよ、VYMとVTの比重を高めれば殆ど全て狙いが達成されるように思いますよ。

 

 未来は誰にも分かりませんが、今は悲観的な意見もあるということでディフェンシブに運用していっても良いでしょう。つまり一気に資金を投入せずにゆるゆる参加していくということです。実際、私はそのように身の回りの人には勧めています。

 

 ただ、こういうゆるゆるした投資は機会損失もあり得ますので、あくまで投資は自己判断ということですね。

  

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