たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

外貨預金が資産運用として微妙な理由

外貨預金が資産運用として微妙な理由

 外貨預金は投資対象としては非常に微妙な商品です。基本的に手数料が高く、リターンが少ないのです。特に市中銀行で始める外貨預金はそうです。例えば手数料で言うと

 円からドルにするとき=1円

 ドルから円にするとき=1円

 このように往復で手数料で1円抜く銀行があるとします。すると、2円です。これだけで単純に2%相当の手数料を取られていることになります。下手をすると単年の外貨預金金利を上回る金利になっており、買い方を気を付けないと典型的な「ダメな商品」になってしまう可能性があることがわかります。

外貨預金

 最近ではネットバンクなどで0.15円~0.05円程度の安い手数料で外貨預金が可能な銀行や証券会社が出てきています。しかし、リターンと手数料のバランスを考えると、使う局面は限られそうです。

 

 強いて利点を挙げるならば、外貨での元本保証というところです。ただ、為替変動のリスクはあります。

外貨預金ならば利回りは外貨建てMMFのほうが良い

 外貨を安全に持ちたいということならば、外貨MMFという手もあります。外貨預金より、外貨建てMMFのほうが気持ち利回りが良いのが一般的です。

 例として楽天証券の外貨預金と外貨建てMMFを比較してみます。

   米ドル建てMMF  米ドル外貨普通預金
 為替手数料  往復50銭~  往復1円80銭~

 利率(1年)

 米ドルの場合

 0.8~1.02%

(預け先による)

 1年もので0.2%

 売却時の税金

 国内株式や投資信託との損益通算が可能。

 為替差益は申告分離課税の対象。

 為替差益は雑所得となる。

確定申告による総合課税の対象。

 元本の保証  なし  外貨で元本保証
 資産保護

 分別管理。

 米ドル建てMMF資産は保全される。

 預金保険の対象外

※楽天証券のサイトから作表

  このような商品の特徴があります。ただ、外貨建てMMFも成長性という意味では非常に緩慢、つまり利回りが限られます。ですので、あくまでキャッシュポジションが大きい場合、比較的ディフェンシブな資産預け先としての活用にとどまります。

 

 利回りが低い割には、投資初心者の方にとっては手数料や税制が複雑に感じられることでしょう。日本円での定期預金のような感覚にはなりえない部分がありますね。

 

 私見ですが、外貨預金と外貨建てMMFについてまとめておきます。

1.外貨預金より外貨建てMMFのほうが利回りが良い
2.外貨預金も外貨建てMMFもあくまで余剰資金の避難先で、投資のコアにはならない

  こういうことです。ディフェンシブに運用するならば、債券ETFという手もありますね。ただ、債券ETFは利上げ局面では値下がりが見込まれますので、注意が必要です。こうしたことを踏まえてご質問を紹介します。

外貨預金を15年以上寝かせてあるが・・・

たぱぞう様

いつも楽しみに拝見しています。

以前は質問にお答え頂き、ありがとうございました。

ずっと気になっていた件を質問させて頂きます。

外貨預金を100万円ほど持っています。
何の知識もないまま、証券会社にすすめられて買ったものです。
為替手数料なども分からずそのままにしています。

米ドルは2003年12月に、20万円分、
当時のレートは107.61円

豪ドルは2003年12月に、20万円分、
当時のレートは80.62円

NZドルは2006年1月に、30万円分、
当時のレートは79.68円

で、現在は…。
米ドルが241.440円
豪ドルが316.489円
NZドルが402.079円

3つの合計が960.008円です。

このまま保有しておいて利息をかせぐのがいいのか、投信や米国ETFを買った方がいいのでしょうか?ご教授頂ければ幸いです。

外貨預金で15年後、1.37倍になった。

 70万円が96万円になったということですね。つまり、外貨預金による運用でおよそ15年で1.37倍に資産が増えました。特に豪ドルのパフォーマンスが光りますね。

 

 これは、複利運用したとしておおよそ年率2.1%ほどで運用を続けたということになります。ただ、為替レートが乗っていますので実際の利回りはこれよりも低かったことになりますね。

 

 買った時期の金利が今よりよかったこと、為替が今のほうが円安に振れていることから結果が出ています。ただ、同じ時期にもし米国ETFを買っていれば、もっとパフォーマンスは良かったです。

 

 例えばVTIですと2003年時点で40ドル程度です。今ならば3倍強、さらに配当と為替が乗ればおよそ4~5倍程度にはなっていたということでしょう。まさにタラレバですけどね。

 

 ただ、これは1つの結果です。もし大暴落があれば、「元本保証の外貨預金で良かった」ということになります。リスクとリターンというのはこういう関係にあるという1つの証左に過ぎないということです。

 

 そのことを踏まえたうえで私だったらという私見を示します。余剰の資金であるという前提でお話しますね。私ならば解約して米国ETFか米国株系の投資信託の積み立てに回してしまいます。理由はこの15年でのリターンの微妙さが商品の微妙さを表しているからです。

 

 今後、何年持つか分かりませんが、20年あるいは30年という単位で持っていれば、もっと増えてくれるのではないかと期待をします。金額も大きくはないので、ここはリスクをとっても良いと思いました。

 

 ただ、元本保証にこだわるならば、そこは外貨預金のほうが優れているということですね。米国株ETFは株式の集合体ですから、元本割れのリスクとは隣り合わせであることは間違いありません。

 

 関連記事です。

 こちらは、ドル建て資金に金利を付ける方法についてです。米国株や米国ETFを買うにはドルが必要になります。ただ寝かせているともったいないので、金利をつけるときにどのような方法があるかということです。

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  外貨建てMMFを使って金利を付ける方法です。こちらの記事中で外貨預金にも少し触れていますが、外貨建てMMFのほうが金利は優れていますね。外貨で株やETFにしないならば外貨建てMMFを活用するという手もあります。

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  外貨預金は資産運用上は微妙な商品ですが、それでも円建てでの銀行預金として預け続けるのに比べたら良い商品と言えると私は思います。ただ、為替変動がつきものですから、そこをどう考えるかで評価も変わります。

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