たぱぞうの米国株投資

米国株投資ブログ。某投資顧問のアドバイザー。メディア実績/日経マネー・ヴェリタス・CNBC・ザイなど

制度移管金をどのように運用・投資していくか

制度移管金(移行金)とは

 制度移管金という言葉をご存知でしょうか。これは、企業年金などで積み上げてきた資金を企業型確定拠出年金など他の制度に移すときに生じるお金です。言い換えると、今まで積み立ててきた制度を他の制度に移す際に生じる、清算金のようなものです。

 

 制度移行金と表現されることもありますが、意味は一緒です。

 

 「今までは会社が退職一時金のために運用・積立してきたけれど、今度は自分で判断して運用して行ってね。だからお金を返しますね。」

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 ということです。退職給与規定の改訂に伴いこのような措置を取る企業が多くあります。これにより、退職後の収入は以下の3本柱になります。

  • 厚生年金
  • 国民年金
  • 企業型確定拠出年金

 うまく活用して、退職までに積立・運用していきたいですね。

48歳にして制度移管金が発生しましたが・・・?

たばぞう様

 はじめまして。いつもブログを拝見しております。


 当方、最近、資産運用の必要に迫られ、いろいろ勉強しながら積立投資を行い始めた者です。様々な情報があふれる中、理路整然とご意見を述べられているこのブログを、大変参考にさせて頂いております。

 

 今回は、分散投資期間と出口までの期間のバランスについて、ぜひご意見を伺いたくメールさせて頂きました。具体的に申しますと、確定拠出型年金の制度移管金についてです。

 

 昨年末に制度移管金が350万円ほど口座に入りましたので、その内の1%ずつを分散投資(詳細は以下に)しております。当方48才ですので、毎月1%ずつの分散投資ですと、100か月=9年後に分散投資完了となります。

 

制度移管金:この場合は企業年金から企業型確定拠出年金への移管金を指します。前述の通り、制度移管金とは異なる年金の移管に伴い生じるお金のことです。

  

 そうなりますと、57才の時に分散投資完了となり、60才まで数年しか運用期間がなくなります。ロールオーバーが5年可能とはいえ、運用期間が短くはないか?毎月の分散投資を例えば2%程度にしたほうが良いのではないか?と悩んでおります。

 

 投資期間と運用期間について、ご意見賜れないでしょうか、当方の状況をお伝えいたします。

  • 当方48才、妻37才、子供2才。世帯年収1300万程度。ただし、今後役職定年などで年収ダウン想定。
  • 昨年マンション購入 残ローン5800万円程度
  • 今後13年間で、3200万円程度のの投資/貯蓄を実行する計画(確定拠出型年金へのマッチング投資含む。)
  • 現時点での金融資産はあまりなく、預貯金400万円程度。ドル建て保険の解約返戻金4000ドル程度。
  • 投資先は、貯蓄1600万円、積立NISA口座520万円、特定口座740万円、マッチング拠出300万円を計画(ちなみに、上記投資計画は、私の年齢、住宅ローンの残債、子供の教育資金などを考慮して、ミドルリスクのものとして設計したものです。今後、住宅ローン金利の上昇や、60歳以降まで必ずホールドし続けるために、貯蓄額を半分程度に設定してます。)
  • 積立NISA、特定口座では、世界経済インデックスファンドとeMAXIX slimバランス8資産を購入。
  • マッチング拠出では、世界経済インデックスファンドと同じ構成になるように、個別のインデックスファンドを購入。
  • 本題の制度移管金(現状貯蓄商品)についても、世界経済インデックスファンドと同様の構成で、毎月1%ずつスイッチングを実施。


 長々とこちらの状況を述べさせていただきましたが、制度移管金の分散投資期間について、ご意見賜れれば幸いです。よろしくお願いいたします。

制度移管金の運用として2点、気になりました。

 48歳というご年齢は退職まで長くもなく、短くもなく、逆に迷われると思います。ズバリ2点が気になりました。

  1. 退職までの期間と分散投資の期間が殆ど同じ。
  2. 世界経済インデックスファンドという選択

 この2点です。この2点に絞ってご説明しますね。

退職までの期間と分散投資の期間が殆ど同じ。

 仰る通り、毎月1%だと期間が長くなりすぎますね。30代までならば妥当性がありますが、50歳近くだと積立終了と殆ど同じ期間で払い込み終了となってしまいます。おっしゃる通り、%を上げたほうが良いでしょう。

 

 住宅ローン金利上昇に備えての1600万がプールされていますので、投資へのポジションは軽めです。ですので、リスク許容度を「気持ち」上げても良いということです。ただ、相場環境は荒れ模様ですから目先に惑わされず続けることですね。

 

 そのためには「良い商品」を選ぶことです。

世界経済インデックスファンドという選択

 残年数が12年でしょうか。この期間で結果を出そうとすると、過去のデータに照らし合わせて、やや元本割れリスクがありますね。65歳までとすると17年、元本割れリスクは殆ど無くなります。できれば長い期間運用したいですね。

 

 また、世界経済インデックスファンドというバランスファンドですが、信託報酬0.5%、実質コストで0.6%弱になっています。バランスファンドとしては安めで、評判も良いですね。

 

 問題はありませんが、投資額が限られますのでリターンをもう少し狙うならば株式比率の高い投信を選択しても悪くないかと思います。私ならば、外国株100%なおかつ信託報酬0.2%以下のものを選びます。

 

 ただ、これはリスク許容や他の運用とのバランスになってきますね。一応私見ということで付け加えました。世界経済インデックスファンドの成績も悪くはないですけどね。

 

 何かの参考になれば幸いです。ご質問ありがとうございました。

 

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  貯蓄と投資のバランスについてです。

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  バランスファンドということで、ニッセイインデックスバランスファンド6資産均等も人気があります。

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