たぱぞうの米国株投資

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住宅ローンを組んで郊外の新築住宅を買うということ

住宅ローンを組んで郊外の新築の家を買う

 住宅ローンを組んで郊外の新築の家を買うというのは、投資界においては典型的な「ダメな行動」と見られます。理由があります。

  1. 買った瞬間に値下がりをする
  2. 値上がりの可能性が殆どゼロである
  3. 将来の売却さえも難しい

 こういったリスクがあります。

新築住宅は買った瞬間に値下がりをする

 まず、新築物件は買った瞬間に2割から3割値下がりをすると言われています。住宅メーカーの広告費などのコストが乗っているのが新築住宅で、それが価格から剥落するからです。

 

 4000万円の家を買って、次の日に売却を試みたら3000万円でしか売れなかったというのは現実問題としてありうる話なのです。

郊外の新築住宅は値上がりの可能性がゼロである

 値上がりの可能性が殆どゼロであることも知っておいて良いでしょう。

 

 都内の恵まれた立地のマンションならば値上がり期待ができます。また、リーマンショックの直後のような、信用収縮が起きている状態の物件も実態以上に安く買える可能性があります。

住宅ローン金利推移

低金利で安定する住宅ローン金利。

 しかし、こういうことは稀で、特に郊外においては新築住宅は殆ど値上がり期待はできないと思っておいて良いでしょう。人口が減少している地域においてはそれが顕著であり、地方においては空き家も目立つようになっています。

郊外の新築住宅は、将来の売却さえも難しいかもしれない

 まず、上物を壊し、その土地に新築物件を立てて売却するという形が一般的です。一部古民家再生などとして重宝されます。しかし、普通の家は「ただの古い家」であり、設備が老朽化して住みにくさを感じさせるだけになっています。

 

 この、「土地に新築を立てて売却をする」というスキームが成り立たない場合は、古い家を残したまま売却をしなくてはいけません。そうすると下手すると売るに売れない物件になります。固定資産税は出ていくし、老朽化のリフォーム費用も発生するというまさに負動産という状態になります。

 

 このように住宅ローンを組んで郊外の新築住宅を買うというのは避けがたい一定のリスクをふくんでいると言えます。

住宅ローンを組んで郊外の新築住宅を買って成功した例

 しかし、すべての例がダメというわけではありません。中には成功例もあります。その例をいくつか紹介してみましょう。

郊外の市役所に勤める公務員夫婦のAさん

 Aさんは一都四県の某市に努めています。奥さんも公務員です。Aさんは地元の公立トップ校を卒業し、大学を経て、新卒から出身地の市役所に勤めています。

 

 電車通勤をしたことがなく、職住近接ということで市役所から2kmほど離れたところに住宅を購入しました。いつも自転車で通勤しています。通勤時間はおよそ15分です。

 

 購入した場所からは、図書館や市営プール、市営体育館が至近です。週末にはそれらの市民のための福利厚生施設を楽しみつくしています。ちょっと車で郊外に行けば、海や山があり、立地も気に入っています。

 

 同じ高校、大学の友達は都内の大企業に勤めるパターンが多く、自分より高い年収の人もいます。しかし、世帯年収で見ると公務員のダブルインカムは大きく、ほとんどの友人よりも自分のほうが収入が高いことになります。

 

 満員電車の苦手なAさんは、どのような人生を過ごしたいか考え抜き、地元での就職を選びました。今は自分の大好きな地元での生活を満喫しています。

郊外の工場に勤める工業高校出身のBさん

 Bさんは一都四県の某市にある、地元の工業高校を卒業しました。ちょっとニッチなメーカー勤務です。今の工業高校は以前のイメージとはだいぶ変わっており、強固な就職バックアップ体制が魅力となっています。いわゆる手に職の強みがあるのです。

 

 高校で真面目に頑張れる生徒にとっては、その後の人生もある程度保証してくれるような場所になっているということです。

 

 Bさんは工業高校に入ってから日々の課題を頑張り、見事に指定校推薦のような形で東証一部上場の有名企業の工場就職を勝ち取りました。Bさんの住む地域は戦前から工業が盛んな市で、多くの古い企業が進出しています。その殆どすべてが製造業です。

 

 古くからある企業が多いため、地域経済との関係も密接で、工場移転は滅多にありません。Bさんはクルマが好きなので、自動車通勤をしています。自宅から近く、さらに市の郊外へ向かうので渋滞は無縁です。収入は安定的で、環境も極めてホワイトです。

 

 安定した生活を元に、地元の友達のつてで結婚をしました。地元同士の結婚なので、両家の両親もそばに住んでいます。保育園の送迎や子どもの風邪の時の病院対応など、共働きを支えてもらう体制もばっちりです。

都会の超有名企業に勤める、1ポイントでも偏差値の高い大学へ行く

 この2人の例で共通するのは職住近接であることです。つまり、就職の時点ですでに大都市への就職をやめているのです。こういう人は投資目的ではなく、純粋に住むに適した場所で選ぶことができます。

 

 この2人の例をみても分かるように、無理して少しでも偏差値の大学へ行き、都会の超有名企業に勤めることのみが恵まれた人生ではない、当たり前ですがこのことは知っておいて良いでしょう。

 

 私たちは焚き付けの社会を生きています。中学受験が終わったら高校、高校が終わったらよりよい大学、よりよい大学が終わったら有名企業。有名企業に就職したら良い立場、出世、収入。常に焚き付けられ、向上しないといけないかのようです。

 

 自分がどのように生きたいのか。それを決めるのは自分自身です。果たしてその焚き付けは本当に自分に必要なのか。そして何よりも自分の人生を豊かにするものなのか。みんなが大学に行くから行く。みんなが良い企業、有名企業を目指すから自分も。

 

 これは嘘です。自分が何をしているときが快いのか。そして何をしているときが不快なのか。快・不快というシンプルで感情的な部分から適性が見えるのです。その上でよくよく自分を見極めることです。

 

 私たちは私たちの人生を生きるべきです。他人に影響されて他人の人生を歩むかのような時間を過ごしていないか、私も時々自問します。マイペースで良いのです。いや、人生なんてマイペースが良いのです。

 住宅選びはある意味で人生選び

 実は住宅もその延長線上にあります。40歳前になると家を買う人が増えるから買う、都内だと値崩れしにくいから買う、郊外の新築住宅は値崩れするから買わない。様々な見方があります。

 

 身の丈に合わない住宅ローンを組んでしまい、日々の生活が苦しくなってしまうパターンもあります。これは住宅購入も「焚き付け」の側面があるからです。

 

 自分たちはどのような条件を求めており、どのくらいの返済ならば生活レベルを落とさず過ごせるのか。基本的に自宅は収益を生みません。収益の生まない物件に過度の投資をするのは人生の選択肢を狭めます。

 

 住宅選び1つをとっても、その人自身の人生の反映であり、考えの反映であると言えなくもありません。夫婦で話し合い、納得のいく購入ができたならば、郊外であろうと新築であろうと、家族の人生を豊かにしてくれる素晴らしい買い物であることは間違いないのです。

 

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