対面型証券が関わる二つの仰天報道
ほとんど時期を同じくして、似たような2つの報道があったので紹介します。いずれも金融商品販売に関わるものです。
1つ目はリンクが切れてしまったのですが、読売新聞で報道されていたものです。
東京で87歳になる判断能力を欠いたと思われる男性に7000万円近くの金融商品を買わせ、1000万円以上の損失を与えたという内容です。この男性は同じ保険に2つ入らされたりもしていたそうですから、証券会社だけではなく、保険会社もこの男性に群がっていたのかもしれません。
ちょっとでも精神力が衰えたり、判断力が落ちて来たら、大手とは言え容赦なく吸い取られるということを教えてくれます。
こつこつと運用して育ててきた資金が、相場によるものだけではなく、手数料やよくわからない金融商品を購入することによって削られてしまうのは残念です。
悔やんでも悔やみきれませんが、ひとたび病気などになり社会的弱者になれば、かくも生きるに難しいものかと考えてしまいます。
2つ目です。
長崎で金融商品取引に関する適切な説明無しに80歳を超える老夫婦に金融商品を買わせ、1000万円の損失を与えたという内容です。
奇しくも同一会社による訴訟案件です。これは営業の個人的な暴走という要素だけではなく、会社全体あるいは業界全体のムードがそのような営業スタイルなのではないかと思わせるに十分な報道です。
なぜこういう無茶な事件が起きるのか
なぜこういう無茶な事件が起きるのでしょう。
これには2つの原因があります。
1、営業社員に金融商品販売ノルマが課せられている
2、手数料を第一で利益を上げるビジネスモデルが未だに横行している
何やら昭和のような業界の儲けのシステムです。未だに顧客との共存共栄システムが構築されないところを見ると、証券業界というのは純粋な取引ではなかなか利益の上げられない厳しい業界なのだなぁと実感します。
私は米国株取引しかしておらず、まったりと優良株や優良ETFを握り続けて配当再投資していれば大損はしない世界にいます。少なくとも資産が半額以下になるようなことはあまりないでしょう。リーマンショックでさえ半分ぐらいの資産毀損でしたから。
いわばぬるま湯に浸かりきっているので、グルグル頻繁に売買して挙句に巨額の損をするような厳しい世界は忘れつつあります。
そうだ、家族に注意喚起しよう
もっとも、営業と顧客が上手いこと関係を構築できている場合は事件化しませんから、win&winのようなよい関係は表に出てきにくいところがあると思います。大口顧客が満足するような商品ももしかしたら提供されているのでしょう。もしかしてですが。
ちなみに、私の親は小口顧客ですがこの記事の証券会社を使っています。年配者ほど信頼とブランド力を求めます。手数料の安いネット証券よりも有名な名前に惹かれるのでしょう。それを裏切るような報道内容ですから、落胆します。
対面営業の証券会社はある程度資金力がないと相手にされないと言います。その額は会社によりますが1億円以上からとも言われます。大口は優遇され、うちの親のような小口から巻き上げるという構図だとしたら悲しすぎます。
自分のことだけではなく、家族のことも含めて注意しなくてはいけないと思いました。
まとめ
- 金融取引は自己責任というが、認知など病気の場合や高齢者は法や家族が守らないと、とんでもないことになる。
- 記事を読む限り、対面営業の証券会社は大手でさえも意外とまだ古い、ノルマと手数料の世界のようだ。詳しく知らんけど。
- 誰が信頼できて誰ができないのか、お年寄りに群がる人間を見極めておく必要がある。
- お年寄りを守れるのは家族だけかもしれない
その家族とお年寄りが信頼関係が結べていないと、孤独な荒波に1人で立ち向かうことになるのでしょうか。高齢化社会を生き抜く処世術が必要になってきました。なんとも世知辛いものです。