たぱぞうの米国株投資

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ダウ連動CFD投資で1000万円が溶けそうです

ダウ連動CFDなどのCFD商品の功罪

 CFDはレバレッジが利かせられられるために、うまく乗れれば「早くお金持ちになれる」という特徴があります。くりっく365なども名前はかわいいですが、クリック次第で天国や地獄へのエクスプレスといったところです。レバレッジとはそういうことです。

 

 天国へのエクスプレスならばよいですが、その逆もあるわけです。「早くお金を溶かす」ということも当然に可能ということです。そのため、弊ブログではあまり積極的に扱ってきてはいません。ただ、私自身も昔はこういうやんちゃな投資をしていましたので、否定するつもりはないですね。

 

 そういうリスクを取りに行き、自分の才能を試す。そんな時期も人にはあるのだと思っています。ただ、以下のようなリスクは厳然としてあるということで、ご質問を紹介します。

ダウ連動CFDで1000万円が溶けそうです。

 はじめまして。いつも興味深くブログを拝見させて頂いております。私は投資初心者なのですが、たぱぞうさんのブログは大変ためになり、かつわかりやすいので勉強になります。ありがとうございます。

 

 たぱぞうさんはブログ内で読者の相談に答えてらっしゃる事があるので、もしかしたら私の今の悩みにお答えして頂けるかもしれないと思いメールさせて頂きました。

 

 私はまだ初心者にも関わらず、余裕資金を全て投資に投入してしまい、かなりの損失を出してしまい、今後どうしていったらいいのかと悩んでおります。初心者が投資を始めた後に自分には合っていないと投資姿勢を変えたい場合にはどうしたら良いでしょうか?


 私は貯金が4000万ほどできましたので、昨年ひふみ投信という投資信託を購入しました。ジェイクール という投信の方が暴落時に強いかもしれないと判断し、今年の1月にひふみ投信を全て解約し1000万をくりっく株365のダウ連動型CFDを購入しました。因みにひふみ投信の売却益は340万でした。

 

 しかし購入後すぐに下落し、CFDの方は焦って売ったり買ったりをしているうちに、まさに落ちるナイフを素手で掴むが如く550万のマイナスとなりました。


 投信の方はその後なんとか持ちこたえていたのでそのまま保有していたですが、再度下落で購入時より50万ほどマイナスの状態です。

 

 投資を始めてから色々と調べているうちにたぱぞうさんのブログを知りました。たぱぞうさんが何度もブログでおっしゃっている「初心者が一気に投資をすべきでない」という事を実践してしまっています。投資を始める前にもっと勉強をすべきだったと非常に後悔しております。


 そしてたぱぞうさんのブログを読み、私には米株ETFの長期保有があっているのではないかと思い、今後の投資方針は変更していくつもりです。そんな中で今の下落相場で今保有しているものを手放した方が良いのではないかと考えております。

 

 まず、CFDにつきましてはダウ連動型を購入しているのですが、前述の通り現金が450万にまで減ってしまっています。追加で100万ほど入金しましたが、その後も下落する度に1枚ずつ買い増しているうちに先日の下落で325万の損失となりレバレッジが21倍にまでふくれあがってしまいました。次に基準価額が434円下落すると強制ロスカットとなるのでもう一度下落が来たらもうアウトです。

 

こちらのダウ連動CFDについて

  1. いずれは上がると思うので数枚決済するか現金を追加投入して保有し続ける
  2. それとも今回の損失は諦めて全て決済してしまう

という事で悩んでいます。

また、投資信託の方も

  1. 全て解約しキャッシュポジションをとって勉強しながら徐々に米株ETFを購入していく
  2. そのまま保有し今後の余裕資金で米株ETFを購入していく


 当初は2のつもりだったのですが、あまりに日本株の展望が見えないため1にした方が良いのではないかと思ってきております。


 また初心者なのにこんなに投資につぎ込むのはまずいのではないかとも感じており、投資信託がまだ大きなマイナスになる前に手を引いてキャッシュポジションを多くとるべきなのではないかと思っています。

 

 NISAにつきましてはまだ時間があるのでそのまま長期保有しようと考えていますが上記についてもし可能であればアドバイス頂けないでしょうか?

 

 状況としましては夫婦共に医師で共働きなので今後失業の心配はありません。夫36歳年収1500万、妻33歳年収1000万、子供2歳で特に有名私立校に入れたいという思いもないのである程度の教育費があればいいかなという程度です。3年後に夫が実家の開業医を継ぐので年収は倍位になる予定です。

 

 負債状況ですが、都心の一室マンションを賃貸に出しており、そちらは年間200万の収益を上げており残債は4000万です。自宅のローンの返済が月に50万です。自宅のローン返済と生活費をひいて月の貯金は60万くらいです。

 

 自宅は都心一等地の値下がりしにくい物件なので月の返済額は大きいですが、数年後には売却する予定で、その時にもし値下がりしていたら、月のローン返済は問題ないので少し賃貸に出してその後売却するという形で実質的にはマイナスにはならないようにしようと考えております。


 一番の悩みはCFDで、今回強制ロスカットとなると550万プラス430万でおよそ1000万の損失となります。なんてバカな事をしたんだろうと後悔しておりますが後の祭りです。

 

 まだ私の周りで投資を始めている友人も少なく、皆仕事や子育てで忙しいため、そういった知識もありません。特に医師はお金に疎く、相談できるような先輩や同期もおりません。

 

 他の下落時も1人悶々として眠れない日が続きました。この時点で手を引くべきだったのですがそのままズルズルと来てしまい、今回の下落できちんと自分の投資姿勢を見直したいと思っています。

 

 もしも可能でしたらぜひたぱぞうさまのお考えをお聞かせ頂けないでしょうか?
いきなりの質問で大変申し訳ないですが他に頼れるところもなく、相談させて頂きました。長文で申し訳ございませんがどうぞよろしくお願い致します。

ダウ連動CFDに限らず、自分の精神的に許容できる金額での投資をおすすめします。

 結論から言いますと、1000万円というと心配になりますが、心配いりません。ご夫婦で医師という高属性で、しかも安定しているであろう開業医の仕事を継承できるということで、インカムが潤沢ですからね。

 

 いずれにしても、去年から今年にかけてのような順風満帆な相場にはならないのは、市場の動向を見ても確率的に高いでしょう。このままだとその都度、眠れない夜を過ごすことになります。

 

 精神的な安定を求めるならば、一度仕切り直し、キャッシュに戻すというのも手です。幸いだったのは、損失額が年間世帯年収のたった1/5ということです。勉強料だったと思えばよいですね。インカムというのは強いのです。お仕事で十分取り返せるのです。

 

 ただし、投資先の小型成長株というのは経営基盤が脆弱ですから、不況になると資金の逃げ足は速いです。つまり、これもまたボラティリティが高いのです。

 

 都心の区分マンションに関しては私の友人の間でも見方が分かれていますね。今が売り時、次への仕込み時という友人もいれば、まだ割安なのはあるということで高属性狙い、山の手内側狙いなど絞って買っている友人もいます。

 

 いずれにせよ、投資はご自分が精神的に許容できる金額でするのが一番ですよ。多少の相場の上下で冷や汗をかくような投資は、どこか不健全になってしまっています。ですから、これを機に見直すというのが将来的に持続可能な投資術だと思います。

 

 投資も仕事と一緒で、無理・無駄・ムラが無いほうが良いのです。

 

 この買い方だと、米国ETFを買うにしても「一度にまとめて、特定の銘柄をどかんと買う」という買いかたになりがちです。この買いかたは上昇相場では強いですが、下落相場あるいは調整相場にはめっぽう弱いという特徴があります。

 

 自分が失っても動揺しない金額を、時期と対象の分散を心掛けながらゆっくりと買っていくのが良いですね。「ここが勝負!全力買い!」というのは動揺しない十分な経験が身についてからでも遅くはないと思いますよ。

 

 当面は、相場との付き合い方を意識して、ゆったりと投資に向き合うことをおすすめします。急いで急にお金を増やそうと思うと焦ってしまいます。そしてお金も逃げて行ってしまいます。

 

 もともとインカムが豊富ですから、付かず離れずの距離感でお付き合いすれば、自然とお金は向こうから寄ってきてくれますよ。あきらめずに、ともにがんばりましょうね。

 

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