たぱぞうの米国株投資

米国株/不動産投資ブログ。某投資顧問のアドバイザ。メディア実績多数。当サイトには広告が含まれます。

ストックオプションの制度と税制について

ストックオプションとはどのような制度なのか

 ストックオプションの魅力は、なんといっても成功した時の莫大な利益です。企業持株会と似ているようで似ていないので、最初にどのようなものなのか触れておきます。

 

 まず、ストックオプション制度とは「将来、決められた価格で自社株を買う権利」のことを指します。

  • 〇年以内に1万円で自社株を買う権利を社員に付与します。
  • 社員が権利を行使しない限り、株式に変換されることはありません。
  • 上場して20万円になったとします。そこで権利行使をして1万円で株式を手に入れます。
  • 差額の19万円がそのまま利益になります。

 こういう仕組みです。持株会による自社株買いが一般的に上場した成熟企業で使われ、時価からのディスカウントで購入されることが多いのに対し、ストックオプションは成長企業で使われることが多い性質のものです。

 

 ですから、ベンチャー企業などで給与+αのインセンティブを従業員や新規に入社した役員に付与する性質を持っています。会社にとっては従業員のやる気が会社価値を創造し、従業員にとっては手元の権利が莫大な利益を生むことになります。

 

 これは、成長企業であることが前提で、特に上場をしないと魅力が薄れます。

  • 成長企業であることが前提
  • 上場するかどうかが重要

 衰退する企業の株を買う権利はいらないですね。また、流動性が無いと権利を株式に変えても売却ができません。

 

 そして上場すれば信用と流動性が得られますから価値が跳ね上がります。ストックオプション制度が利用できる場合は、この2点を踏まえて利用すると良いですね。ただ、上場して失望売りになる場合もありますから、実態と株価は大事です。

 

 うまくいけば莫大な利益を得る可能性を秘めています。つまり、win&winの関係を会社と従業員が築くことができるというわけです。

ストックオプションを最大限に生かした友人の例

  私の大学時代の友人が共同起業し、このストックオプション制度を自分や従業員に活用していました。その後、15年ぐらいして上場させることに成功しました。友人が持っている株式はおよそ30%、会社は上場して時価総額が100億です。

 

 単純に30億程度の資産を15年で築いたことになります。創業者なのでストックオプションだけではないですが、夢のある話だと思います。ただ、売るとなると実際には制約が多く、なかなか難しいということですね。

 

 この会社の共同創業者の役員さんたちも数十~数パーセントの株式を持っています。1%でも時価一億円相当ということになりますから、メリットは相当なものです。結果的に数年して友人は退職して出口を取りましたね。

 

 ある意味では、現代における金鉱脈の発見のようなものです。業界によっては2回、3回と出口を取り続ける、0から1にするのが得意な人もいますね。

 

 さて、運が良ければ一攫千金的な性質も持つストックオプションに関して今日はご質問を頂いています。

ストックオプションの権利を行使すべきかどうか

たばぞうさま


 いつもブログを拝見しています。投資に興味がでて日本株をはじめたのが6年ほど前になります。プラスにはまったくならないどこか、マイナスになりやめてしまいました。

 

 それでも投資には興味があり、また幸運にも会社からもらった株がかなりのキャピタルゲインを含んでおり、この株をどうすべきか悩んでいます。

 

 将来的には不労所得で生きていきたいと思っており、この会社からもらった株を売って、高配当の株を買うべきでしょうか?それとも、このままキャピタルゲインを増やすべきでしょうか。

 

 もし売って、会社の株が上昇したら、売るのを待てばよかったと後悔しそうで売れません。以前、売ったことがあるのですが、その後急成長し、後悔したことがあります。

 

 とりとめのない質問ですみません。よろしくお願いします。

税制適格ストックオプションで受け取るのが基本になります

 さて、会社から貰った株ということで持株会ではなく、ストックオプションであろうと推察しました。まず、売るポイントとしては2つあります。

  1. 上場前か、上場後か
  2. 自社の成長性はどうか

 もし、会社が上場を目指していて、しかも基準を満たしつつあるならば、よほどの事情がある限り手放さないほうがよいでしょう。理由は前述の通り、上場すると株価が跳ね上がるケースが多いからです。

 

 逆に上場後ならば、普通の株式の売買基準がある程度当てはまりますから、高いと思ったら売ってしまえば良いですね。

ストックオプションの制度と税制、当たれば大きな花が咲く

ストックオプションの制度と税制、当たれば大きな花が咲く

 次に、自社の成長性です。可能性のある業界で、なおかつ成長をしている企業ならば手放す必要は無いでしょう。ただ、あまりに実態とかけ離れた株価水準であるならば、「利食い千人力」と言いますから、利益確定させてしまうのも手です。

 

 ストックオプションにしろ、持株会にしろ、自分がその会社で働いている以上かなりの集中投資になります。給与も不労所得も自社に依存するからです。もし少しでも成長性に疑義があるならば、他社の株に乗り換えてしまうというのは手だと思います。

 

 また、おそらく総務部がきちんと手続きを教えてくれるとは思いますが、受け取り時には税制適格ストックオプションにすることが大事ですね。そうしないと、所得として受け取ることになり、税金が跳ね上がります。税制適格ストックオプションならば、通常の譲渡益税、20%の課税で済みます。

 

 成長性ある企業に勤め、ストックオプションの権利が付与される。このこと自体、非常に恵まれた環境にあることは間違いないです。社員思いの良い企業にお勤めですね。ご質問ありがとうございました。

 

 関連記事です

www.americakabu.com

www.americakabu.com

www.americakabu.com